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青森県   
圓朝地名図譜
江戸から方角は北だねェ、百里行って大きな原、あたりが暗くなる、と、ま中に榎が一本、この前を通りすぎると鐘がごゥ…んだね、なまあッたけえ風が吹くと、おじさんおじさんて、子供の声がする。
 (林家正蔵(8) 「一眼国」)
  東大落語会編,『林家正蔵集』 上巻,青蛙房(1974)
 
本州・東北
地点名 この1題・登場回数 位 置 備 考 写真と撮影年月
本州 神代物語(新風上方:19) など 2件2題 (東京1件, 上方1件)   "淡路島、続いて四国(中略)最後に本州、この八つで大八島といいます"(神代物語)      
六玉川 高野違い(青金馬:04) など 2件2題 (圓朝1件, 東京1件)   野田(奥州)武蔵野路(江州)井出(山城)卯の花(摂津)高野(紀州)の玉川.個別項目参照.
"玉川という名前の川がな、日本に六つある"(高野違い)
     
東北 お目見え(講明治大正7:25) など 13件11題 (東京10件, 上方3件) 東北全県 江戸期の噺家 船遊亭扇橋著「奥のしをり」は,仙台から秋田,青森浅虫,能代深浦へ至る,貴重かつ奇妙な東北紀行.それを復刻する奇特な出版社があるのも面妖.と書いたら,出版社のアチックミューゼアムは三沢の名士,渋澤財閥の文化事業だったらしい.それならと納得.
"チラッと東北辺の新聞に名前が見えたと聞いて"(お目見え)
     
奥羽 木火土金水(講明治大正6:23) など 4件4題 (圓朝1件, 東京3件) 東北全県 陸奥国と出羽国.奥羽山脈はピッタリだが,奥羽大学ってどこ?
"奥羽をかけて函館まで、路用の上の軍用金"(続噺柳糸筋)
     
陸奥 うそつき弥次郎(講明治大正6:29) など 67件44題 (圓朝15件, 東京48件, 上方4件) 青森,岩手,宮城,福島県など 旧国名.明治以後数国に分割.陸前,陸中と対比させるとほぼ青森県.
"エー奥州の方へ行きました。ウム何かい、商いにでもいったのかい(中略)武者修行で"(うそつき弥次郎)
     
出羽 蜀山人(講評判全集1:29) など 7件6題 (東京7件) 秋田県,山形県 秋田県,山形県の旧国名.
"出羽でも奥州でも、この酒ばかりはやめられないよ"(蜀山人)
     
南部 とろゝん(講明治大正7:26) など 24件18題 (圓朝2件, 東京22件) 青森県,岩手県,秋田県 青森県東部,岩手県北部が主体.三春南部と併記される.名馬の産地."南部のシャケは鼻曲がり"と踊る場面が何かの噺にあったような気がする.
"越後の国ぢゃ角兵衛獅子、南部の鮭は鼻曲り、奥州仙台孫太郎虫"(とろゝん)
     
三陸 魂祭(講明治大正5:51) など 3件3題 (東京3件) 岩手県,宮城県 北上山地の沿岸部.噺に出てくる1896(明治29)年の三陸津波では岩手を中心に死者2万人以上がでた.供養塔は松島の瑞巌寺内.
"日清戦争やあるいは三陸の水害名古屋の大地震"(全快)
三陸海瀟死者供養塔 9509
奥州極楽寺 姫かたり(弘文志ん生1:14) など 8件6題 (東京8件)   老残の小野小町の終焉の地という志ん生のマクラ.噺のとおり,今行って見ようにも手だてがない.
"しまいに奥州極楽寺の門前でこの、小町が倒れたそうですな"(姫かたり)
     
笠松峠 とろゝん(講明治大正7:26) 1件1題 (東京1件) 不明 「とろろん」という落語は,鞠子の宿屋に泊まり合わせた客たちが,名物のとろろ汁をさまざまに催促する噺.その中の1つが,デロレン祭文(浪曲).デロレンの合方のかわりに,とろろがトロロンと出てくるのがサゲ.その祭文の文句,弾正四郎三郎と鬼神のお松,笠松峠の出会いの場.巷説では越後だが,奥入瀬の石ヶ戸に鬼神のお松の隠れ家と呼ばれる石組みがあり,その先には傘松峠まである.宮城県丸森町の笠松説もある.あぶくま駅から急坂を上った道沿いに,一本松の笠松が現れる.くねった太い幹がいい景色を作っていた.この先に段田原峠があるが,この地を笠松峠と呼ぶかは不明.
"六里の笠松を上り来たのはお松でござる、鬼神のお松は泥棒でござる、奪られるお方は篦棒でござる"(とろゝん)
笠松 1509
青森県
地点名 この1題・登場回数 位 置 備 考 写真と撮影年月
青森県 Ah!熱戦甲子園(レオ三枝4:04) など 8件7題 (圓朝1件, 東京4件, 上方3件) 青森県 青森県は下北半島を出発し,八戸まで南下してから青森を通り,津軽半島竜飛岬から西岸を下るルートで落語地名を紹介する.
"続いて青森県代表、青森第三高校の入場です"(Ah!熱戦甲子園)
     
下北半島 免許証(レオ柳昇:09) 1件1題 (東京1件) 青森県 廃藩となった会津は朝敵の汚名をきせられ,荒蕪地の斗南藩の開拓で再興を図るが辛酸をなめた."みちのくの斗南いかにと人問はば神代のままの国と答へよ".斗南藩士の墓はむつ市から尻屋崎へ向かう斗南岡の東端.
"あっ、都内じゃないんです。どこです?青森県下北半島"(免許証)
斗南藩士の墓 0505
恐山 うそつき弥次郎(講明治大正6:29) など 11件2題 (圓朝1件, 東京10件) むつ市(旧下北郡大畑町) 南部の恐山.東京落語の用例はすべて「弥次郎」の猪退治.円通寺・菩提寺の山号,かつ一体の山名.拝観有料で冬季は閉鎖.4つの木造浴場がある(男女別浴もあるのでコンプは無理).地獄から宇曽利湖の極楽浜へ周回するコース.イタコの口寄せもあり.
"南部の大恐山という山へ行った時に驚きました"(うそつき弥次郎)
恐山 0505
むつ小川原 日本列島改造論反論(立つばめ2:12) 1件1題 (東京1件) 六ヶ所村あたり 途方もなく巨大な工業開発計画.開発組織は経営破綻.核燃料サイクル拠点として生き残りをはかる.機内から石油備蓄タンクと港がよく見え,瞑目いや瞠目した.
"新しい、大きな開発地として(中略)二、むつ小河原"(日本列島改造論反論)
むつ小川原工業地域 0404
三沢基地 反対俥(快楽亭ブラックの放送禁止落語大全, 洋泉社(2006)) 三沢市 話中で,ブラック(2)の父が米軍三沢基地という解説.なるほど三沢空港には米軍,自衛隊,民間が入り乱れている.
"母親が青森県の貧農の娘でございまして。父親が三沢基地に行ったんでございますが"(「反対俥」)
米軍三沢基地ゲート 0906
八戸 武助馬(大日本図書館07:05) など 3件3題 (東京2件, 上方1件) 八戸市 市街は新幹線の停まる八戸駅(旧尻内駅)よりはるか東にある.実際はともかく,辺鄙な土地を示す用例のみ.名物は南部せんべいを割り込むせんべい汁といちご煮.写真の蕪島は天然記念物のウミネコ繁殖地.
"二つの屁で驚くなよ。奥州へ行ってみろ。八戸という所があるぞ"(武助馬)
蕪島 0505
八戸高校 鉄拐(太田藤志楼2:01) 1件1題 (東京1件) 八戸市長者4-4か くすぐりで出てくるのみ.八戸高校は実在するが,それを踏まえたものではない.
"団体客はね、青森県八戸高校のみなさーん!って紅白歌のベストテンみたいな"(鉄拐)
青森縣立八戸高等學校 0505
大蛇 駅名読み込み川柳大会(牧野駅名:1) 1件1題 (東京1件) 三戸郡階上町道仏 大蛇(おおじゃ).漁村.「駅名読み込み川柳大会」に登場の十二支のつく駅名.八戸線.Ojaとつづると日本の地名でないみたい.
"蛇が出てきそう大蛇は無人駅"(駅名読み込み川柳大会)
大蛇駅 0505
青森 反対車(新評世界3:07) など 20件15題 (圓朝1件, 東京19件) 青森市 青森県を指す用例も含む.落語では新作が8件あり,古典では出にくい地名.青森駅から青函連絡船に乗り換えに使われた改札と反対側の跨線橋は,自由通路になっている.寝台特急あけぼのが到着したホームにはまだ連絡船への乗り換え案内が残っていた.
"万世をわたって、北へまっすぐってえから、あっしは青森か北海道かと思ったんで"(反対車)
青森駅跨線橋 0909
青森:善知鳥神社 薮入り(講落語全集2:21) など 2件1題 (東京2件) 青森市安方2 善知鳥(うとう)神社.「藪入り」で里帰りする子供を日本中案内する夢想シーン.旧青森県総社.社殿は新築.殺生の罪により地獄で化鳥に苛まれるという恐ろしい執心物の謡曲「善知鳥」の舞台.ハアピィのような鳥がウトウ.うとうと呼べば,やすかたと答えると聞くとさらに不気味.境内には謡曲善知鳥之旧蹟碑やうとう沼がある.
"青森へ行って善知鳥神社へ参詣して"(薮入り)
善知鳥神社 0909
津軽 女優志願(講昭和戦前6:22) など 5件5題 (圓朝2件, 東京3件) 青森県 青森県の西部.津軽と三八,上北では言葉が通じないという.その噛みあわなさを楽しむ番組まであるという.どさ?ゆさ!のギャグもあることだし.
"浪の華散る津軽を越えて、国へ帰るはいつじゃやら"(女優志願)
     
津軽五所川原駅 「ストーブ列車」(落語のごらく−ごは落語のご, 信光印刷(2007)) 五所川原市大町 「ストーブ列車」は新作三題噺.以下,3件の地名が出てくる.津軽鉄道の始点の津軽五所川原駅.JRの五所川原駅と跨線橋を共用しており,駅舎を抜けるといきなりJRの構内に入る変な形.冬場に運行されるストーブ列車は,客車の真ん中に2台の石炭ストーブが置かれ,その上でスルメを焼くことができる.五所川原は,ビルを圧するほどの高さの立佞武多で知られる町.ヤッテマレの声が飛びかう.
"津軽鉄道は始発の津軽五所川原駅から"(三題話「ストーブ列車」)
津軽五所川原駅ストーブ列車 1009
津軽中里駅 「ストーブ列車」(落語のごらく−ごは落語のご, 信光印刷(2007)) 北津軽郡中泊町中里 三題噺「ストーブ列車」に登場.津軽鉄道の終点の津軽中里(つがるなかさと)駅.ローカル線ながらがんばっている津軽鉄道,途中には太宰治生家の斜陽館もよりの金木駅がある.そこから津軽中里までは,スタフと呼ばれる棒につけられた金具が通行票として使われている.タブレットよりも,さらにレアな用具.
"終点の津軽中里駅まで11駅"(三題話「ストーブ列車」)
津軽中里駅 1009
竜飛岬 反対俥(快楽亭ブラックの放送禁止落語大全, 洋泉社(2006) 東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜 韋駄天車夫も竜飛まで来て"幸吉はもう走れません"とへたる.東京オリンピック競技場で抜かれたマラソンの円谷幸吉が残した悲痛な遺書がこのセリフ.竜飛の階段国道は有名だが,実際にここまで見に行くのは今でも大変."ここは、本州の極地である。この部落を過ぎて路は無い。あとは海にころげ落ちるばかりだ"(太宰治「津軽」).
"あれが竜飛岬北のはずれ"(「反対俥」)
階段国道 0505
津軽海峡 南極探検(レオ柳昇:06) 1件1題 (東京1件) 北海道〜青森県 1155名の死者を出した青函連絡船洞爺丸の沈没は1954年,慰霊碑は転覆した七重浜にある.これを機に青函トンネルの建設が進んだ.北海道方吉岡にある青函隧道建設記念碑は,トンネル状の穴が開いていて,対岸の津軽半島を望める.
"津軽海峡から四国、九州、遠く沖縄まで手にとるように見える"(南極探検)
青函隧道建設記念碑 1509
青函トンネル 化け物使い(熊さん八っつあん交遊録, 新風舎(2007)) 北海道〜青森県 書き落語に出てくる.1985年に開通した世界最長の鉄道トンネル.扁額には"青函トンネル"ではなく,"青函隧道"とある.竜飛岬にある青函トンネル記念館で,斜行ケーブルに乗って坑道におりられる.難工事の様子が展示されている.ドラえもんは通らなくなったが,キタキツネが渡っているという.
"上野を出て気がついたら"青函トンネル"って文字がちらっと見えた"(化け物使い)
青函トンネル本州側坑口 1310
驫木 駅名読み込み川柳大会(牧野駅名:1) 1件1題 (東京1件) 西津軽郡深浦町驫木 驫木(とどろき).「駅名読み込み川柳大会」に登場の十二支のつく駅名.海を目の前にする五能線の駅.日本海の荒波がとどろく音から来ているのか.町は高台の上にあり,そのバス停名にはなぜか轟木とあった.
"五能線の驫木の句がありましたが、<馬>ではありませんから抜きませんでした"(駅名読み込み川柳大会)
驫木駅 0505
十和田湖 平家物語(三一談志4:08) 1件1題 (東京1件) 十和田市,秋田県鹿角郡小坂町 青森・秋田両県にまたがるカルデラ湖.2008年に,廃藩置県以来ようやく県境が定まった.十和田八幡平国立公園.
"いっぱい湖があるんだよ、ウスリー湖とか、十和田湖とか"(平家物語)
発荷峠より十和田湖 9709

掲載 030719/最終更新 151001

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