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静岡県 その1   
はなしの名どころ
熱海土産温泉利書(あらすじ)
敵討霞初島(あらすじ)
火中の蓮華(あらすじ)
指物師名人長二(あらすじ)
御案内の通り熱海の温泉の湧出します所は烈しいことで、ぷうと噴出すことが晝三度夜三度とか時をきつて出まして、實に凄まじい音がいたしますが、あの巖へ打付けますのは猛烈(いきおい)のものでございます。
 (「熱海土産温泉利書」)
  鈴木行三編,『圓朝全集』 第七巻,春陽堂(1926)
 
地点名 出典と登場回数 位 置 備 考 写真と撮影年
静岡県 しずおかけん 長二 全1件1題 静岡県 "この藤木川の流れが、当今静岡県と神奈川県の境界になっております"(指物師名人長二)      
伊豆 いず 長二, 生埋, 初島, 蓮華 など (他 東京18件, 上方1件) 全27件21題 静岡県 旧国名.鏝絵を芸術に高めた伊豆の長八は,落語「梅の春」のサゲ,多勢に武清はかなわないの喜多武清の弟子.伊豆松崎に美術館がある.貸し出しのルーペで細かい細工を見る.
"伊豆相模は石山が多いから、石切職人が始終怪我をするそうだ"(指物師名人長二)
伊豆の長八作 龍の鏝絵 2013
駿河 するが 春の風俗, 蓮華 (他 東京38件, 上方6件) 全46件22題 静岡県 旧国名.
"茄子の絵に狂歌「孝をなす苦労するがの富士の山高きねがひも家内安全」"(三遊春の風俗)
     
遠江 とおとうみ 替紋, 後日譚(岩波) など (他 東京11件, 上方10件) 全25件15題 静岡県 旧国名.
"当節は兎角商法ばやりで、遠州の方から葉茶を送ってくれるというので"(松と藤芸妓の替紋)
     
沢地 さわじ 熱海, 初島 全2件2題 三島市沢地 沢地,龍沢寺へは頻繁な富士見台へのバスも使える.
"三島在沢地村の龍沢寺という禅寺の門前に知る人がありますから、ここへまいりまして"(熱海土産温泉利書)
沢地バス停 2000
龍沢寺 りゅうたくじ 熱海 全1件1題 三島市沢地326 山岡鉄舟が参禅,圓朝の息子が寄宿したことのある禅寺.
"間さえあれば三右衛門は龍沢寺へ参詣してお説教を聴くとか、あるいはこの下のお寺へいってお談義を聴くとかいって、寺参りばかり致しております"(熱海土産温泉利書)
龍沢寺 2000
信教寺 しんぎょうじ 初島 全1件1題 三島市か 沢地に設定.偽作の「敵討霞初島」だから寺名もいいかげん.
"早速三右衛門の死骸を棺へ収めまして、同村の信教寺という浄土宗の寺へ葬りました"(敵討霞初島)
     
戸倉 とくら 熱海 全1件1題 三島市徳倉 徳倉(とくら).三島の市街地に呑み込まれ,郊外店舗が目立つ.
"その頃三島在沢地村の向こう戸倉村より興法和尚が参り、私もともに念仏修行をいようという"(熱海土産温泉利書)
徳倉橋 2000
三島 みしま 粟田口, 熱海, 初島 (他 東京43件, 上方2件) 全48件23題 三島市 三島市役所は農兵調練所だった.三島女郎衆はノーエ♪で知られるノーエ節の碑がある.
"原文に三島安という東海道食い詰めの奴で、息杖を取って打ってかかった"(粟田口霑笛竹)
三島宿本陣跡 1997
三島大社 みしまたいしゃ 初島 (他 東京3件) 全4件4題 三島市大宮町2 伊豆一宮.写真は,源頼朝が平氏討伐を祈願し,北条政子が腰掛けた石だという.
"釣瓶に三、七二十一杯づつ水を浴びて一所懸命に三島様を祈った"(敵討霞初島)
頼朝・政子腰掛け石 1997
横曽根 よこそね 熱海 全1件1題 三島市か 三島市内の東海道か.
"ようやく箱根を越す所存で山中へかかると、もう日がとっぷりと暮れたが、横曾根の難所を越す了簡"(熱海土産温泉利書)
     
鬢の沢 びんのさわ 熱海 全1件1題 田方郡函南町平井字鬢の沢 三島から熱海へ抜ける街道のうち,平井から進んで初めての集落.鬢の沢に鬢田山法伝寺(廃寺)の地蔵堂はあるが,観音堂はなかった.地蔵堂には,日金山信仰の証として,正面に極楽図,左右に地獄図が掲げられている.
"三島街道へ出まして、二里半ばかり登ると絶頂で、これから一里余下ると軽井沢、それからまた一里ばかり下ると鬢の沢へ出ます"(熱海土産温泉利書)
鬢の沢地蔵堂 2000
鬢の沢:観音堂 かんのんどう 熱海 全1件1題 熱海市か 日金山に伝わるご詠歌には,"辻観音のびんの沢 ここに延命地蔵尊……つくりし罪は軽井沢 いつか峠の地蔵尊"という文句がある."それからまた一里ばかり下ると鬢の沢へ出ます。左におおきな観音堂があります、たった一軒家でございます"(熱海土産温泉利書)      
軽井沢 かるいざわ 熱海 全1件1題 田方郡函南町軽井沢 軽井沢(かるいさわ).公民館前には正岡子規の句碑「唐きびのからでたく湯や山の宿」.軽井沢の泉龍寺には猫おどり発祥の地の碑がある.町おこしのイベントに連動して建てられたもの.日に数本しかなかった大場から軽井沢へのバスは廃止されてしまったので,軽井沢は訪問が難しい圓朝地名になってしまった.
"三島街道へ出まして、二里半ばかり登ると絶頂で、これから一里余下ると軽井沢、それからまた一里ばかり下ると鬢の沢へ出ます"(熱海土産温泉利書)
軽井沢 2000
日金山 ひがねやま 初島 全1件1題 熱海市, 田方郡函南町 山頂近くにある東光寺の山号が日金山(ひがねさん).背後の十国峠も日金山と呼ばれる.日金山一帯は霊のとどまる土地として古くから知られており,今も彼岸には近郷から卒塔婆供養に参拝者が集まる.寺の背後には,金地,松葉,木生の三仙人の宝篋印塔が建った塚がならぶ.松葉仙人が3世紀に日金山を開いたといわれる.
"皆恐ろしい日金山などの嶮岨の道を越えまして、十二、三から二十ぐらいな娘が、温泉宿を廻って客に売りつけましたことで"(敵討霞初島)
東光寺三仙人塚 2000
日金峠 ひがねとうげ 熱海, 初島 全2件2題 熱海市〜田方郡函南町 熱海から軽井沢へ抜ける鞍部は熱海峠になるが,ここが開かれたのは新しい.これより古いものでは,東光寺を通って軽井沢・大場や湯河原へ通じる道があった.登りきったところは日金山頂の十国峠.天明3年に建てられた,周囲の十国五島を記した碑が建っている.
"三島の間にはいりまして、とうとう日金峠を越し熱海へかかりました"(熱海土産温泉利書)
日金山頂十国峠 2013
いずみ 長二 全1件1題 熱海市泉 泉にある椿寺の椿並木は見事.ここから眺望がきく.
"婆さん、お前その、長左衛門の先祖の墓のある寺を知ってるか。知ってますよ、泉村の福泉寺様だア"(指物師名人長二)
椿寺 2000
泉:福泉寺 ふくせんじ 長二 全1件1題 熱海市泉191-1 長二の養父,長左衛門の菩提寺.墓所を設けないとあるが,今は福泉寺の裏手が墓場になっている.
"寺は曹洞宗で、清谷山福泉寺と申して境内は手広でございますが、土地の風習で何れの寺にも境内には墓所を置きませんで、近所の山へ葬りまして、回向の時は坊さんがその山へ出張る事です"(指物師名人長二)
福泉寺開山塔 2000
湯河原:西山 にしやま 長二 全1件1題 熱海市泉 湯河原の西にあたるとある.西山は熱海市の小字名.
"西は西山、東は上野山、南は向山、北は藤木山という山で囲まれている山間の村で"(指物師名人長二)
西山橋 2000
湯河原:向山 むこうやま 長二 全1件1題 熱海市泉か 湯河原の南にあたるという.位置的には泉の山.
"西は西山、東は上野山、南は向山、北は藤木山という山で囲まれている山間の村で"(指物師名人長二)
向山か 2000
伊豆山 いずさん 熱海, 初島 全2件2題 熱海市伊豆山 伊豆山神社は長い長い石段の上に鎮座.あたりは桜並木,下には温泉がある.
"早川から石橋山へかかり、米上を通って根府川峠と越し、江浦、吉沢、紋川なぞというえらい所ばかり通って、遂に伊豆山の峠手前までに三つ峠があります"(熱海土産温泉利書)
伊豆山神社 1998
熱海 あたみ 熱海, 蝦夷な, 緑林, 長二 など (他 東京36件, 上方3件) 全45件38題 熱海市 「熱海土産温泉利書」の主舞台.当時,飢鬼虫が湧いたという気味悪い記述.町を歩いていたら,熱海土産の看板が目に入って,思わず圓朝ゆかりかと駆け寄った.「熱海土産温泉利書」には間欠泉らしい記述がある.写真の間欠泉は今,7分毎に噴いてくれる.
"伊豆の熱海へ餓鬼虫という虫がわきました事がございますという噂で、どういう虫かとその地の者に聞きますと、羽蟻に似てその形はまるで油虫のようなもので"(熱海土産温泉利書)
徳本塚と大湯間歇泉 1998
熱海:藤屋 ふじや 伊香保, 熱海, 初島 全3件3題 熱海市銀座町 富士屋旅館ではないか.ちょっと調べてもわからない.
"翌年の三月になりまして湯治にまいり、熱海の藤屋の二階を借りて三まわりもいようというのでございます"(熱海土産温泉利書)
富士屋ホテル 2002
誓欣院 せいきんいん 熱海 全1件1題 熱海市上宿6-3 道本寺は誤りで,道光寺.それよりも誓欣院で通る.歴代塔に賢道の名はないが,実在の人物とのこと.
"法界山誓欣院道本寺 という浄土宗のお寺がありまして、賢道和尚といって、これまたその頃大分行われました道徳の和尚さまで"(熱海土産温泉利書)
誓欣院道光寺 2002
興禅寺 こうぜんじ 熱海, 初島 全2件2題 熱海市桜木町5-8 臨済宗興禅寺.藤原藤房の開基.写真のソテツの位置に次項の手植松があったがマツクイムシにやられたという.
"御案内の通り海岸山興禅寺という禅寺がありまして、その頃三島在沢地村の向う戸倉村より興法和尚が参り、私もともに念仏修行をいようという"(熱海土産温泉利書)
興禅寺 2002
興禅寺:藤房卿の手植の松 ふじふさきょうのてうえのまつ 熱海 全1件1題 熱海市桜木町5-8 藤房卿頌徳碑は大佛次郎の撰文.大槻盤渓の藤房卿詩碑もある.
"興禅寺の門前に藤房卿の手植の松のもとに、坊頭のような形になりまして石があります。これを達磨石と申す"(熱海土産温泉利書)
藤房卿頌徳碑 2002
興禅寺:達磨石 だるまいし 熱海 全1件1題 熱海市桜木町5-8 達磨石は門前にある.もう1つ似た形の石もあった.
"興禅寺の門前に藤房卿の手植の松のもとに、坊頭のような形になりまして石があります。これを達磨石と申す"(熱海土産温泉利書)
達磨石 2002
興禅寺:念仏塚 ねんぶつづか 熱海 全1件1題 熱海市桜木町5-8 門前の徳本塚はこれで,最大のものは本堂裏手にある.
"そのわきに徳本行者の念仏塚が建ててありましたを、興禅寺の門前の百姓らが、その念仏塚を倒して橋にするというのを、只今の住職済良法和尚さまが貰いまして、門の内の左の所へ建てておきました"(熱海土産温泉利書)
徳本念仏塚 2002
念仏山 ねんぶつやま 熱海, 初島 全2件2題 熱海市熱海 興禅寺の裏手,今でも念仏山と呼ぶ人がいる.頂上に仏舎利塔がある.
"向いの山は何と申します。あれは念仏山と申して"(熱海土産温泉利書)
念仏山 2002
熱海:和田村 わだむら 熱海, 初島 全2件2題 熱海市和田町あたり ここを通るバスは日に1本だけど,温泉とホテルはたくさんある.
"熱海の和田村にいる芳蔵さんが心安いので、こっちに来い来いといわれて、ここへ来て煙草を巻いているが"(熱海土産温泉利書)
和田バス停 1998
魚見崎 うおみざき 熱海, 初島 全2件2題 熱海市熱海 巨大ホテルが立ちふさがりもとの地形はわからない.この手前は,今の熱海を象徴するかのようなホテルの廃墟.
"そのこっちへつながっているのが魚見崎で"(熱海土産温泉利書)
魚見崎 2002
錦岩 にしきいわ 初島 全1件1題 熱海市か 偽作の「敵討霞初島」だから不明.錦ヶ浦をあててみる.Beachy Headのように自殺の名所だった.この辺で狂言入水した若人(わこうど?)芸人がいたっけ.
"この網代を右に見まして、左には初島を眼下に見下ろしまして、例の錦岩と申すのがこう海へ出張っております"(敵討霞初島)
錦ヶ浦 1998
網代 あじろ 伊香保, 蝦夷な, 初島 全3件3題 熱海市網代 漁村.温泉もある.
"微かに向こうに伊豆の鼻が見えて、熱海の方から網代伊東の地方の見える所へ来るとよほどせいせいいたします"(蝦夷なまり)
網代を望む 1998
初島 はつしま 熱海, 初島 全2件2題 熱海市初島 熱海沖に浮かぶ島.近くで見ると,リゾートの開発の末路,建物に抉られた島影が痛々しい.
"あの向うに見える島は何というざます。うん、あれは初島というのだ"(熱海土産温泉利書)
初島 2013
伊東 いとう 蝦夷な, 初島 (他 東京3件) 全5件5題 伊東市 伊東の由来である伊東祐親は伊豆に流された頼朝の監視役だったが,頼朝挙兵で最期を迎える.墓は大原1の地味な場所だが,皇太子見学碑があった.
"微かに向こうに伊豆の鼻が見えて、熱海の方から網代伊東の地方の見える所へ来るとよほどせいせいします"(蝦夷なまり)
伊東祐親の墓 2003
下田 しもだ 熱海, 荻の若葉 (他 東京3件, 上方1件) 全6件4題 下田市 ペリーの黒船来航で知られる町.玉泉寺に領事館,宝福寺に仮奉行所が設けられた.宝福寺にはペリーの世話役の唐人お吉こと斉藤きちの墓がある.その後,安直楼を経営していたが,入水自殺.場所はお吉ヶ淵と呼ばれ,蓮台寺駅の北500mほど.新渡戸稲造が建立した地蔵がある.
"お父さん誠に御無沙汰をしましたが下田まで来る道でだんだん様子を聞けば、こっちへ来ていなさるてえ事だから"(熱海土産温泉利書)
お吉ヶ淵 2013
天城山 あまぎさん 初島 全1件1題 田方郡,加茂郡 万二郎,万三郎岳を中心とする山群.西の天城トンネルを越えれば寒天橋.
"この楠はたいてい天城山か箱根につづきました山々からきり出しますもので"(敵討霞初島)
天城山 1998

掲載 051028/最終更新 200101

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