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山梨県   
はなしの名どころ
火中の蓮華(あらすじ)
鰍沢(あらすじ)
前は東海道岩淵へ落す急流、しかもこゝは釜が淵と申す難所でございます。お祖師が身延へ參詣に來ても鰍澤の舟には乘るなとおつしやつた、しかしここより外に遁れるところはない鐵砲で射ち殺されるかそれとも助かるか一かばちか
○「南無妙法蓮華經」とお題目をとなへながら流れをのぞんで飛び込みました。
 (三遊一朝 「鰍澤雪の夜噺」)
  鈴木行三編,『圓朝全集』 第十三巻,春陽堂(1928)
 
地点名 出典と登場回数 位 置 備 考 写真と撮影年月
甲斐 かい 熱海, 皿山, 鰍沢二, 蓮華 など (他 東京35件, 上方6件) 全47件26題 山梨県 旧国名.
"わりゃァいつぞや甲州で流れも早き早川を。筏で逃げた旅人か。さてこそお熊伝三郎"(鰍沢二席目)
     
丹波山 たわやま 荻の若葉 全1件1題 北都留郡丹波山村 多摩川の源流部.万葉集の丹波川と結びつけて説明している.玉川万葉歌碑は別項.奥多摩駅からバスで1時間,深い渓谷を抜けると丹波山(たばやま)の集落が現れる.
"丹波山と云う所から水が発して武州多摩郡より丹波村に添うて流れるから多摩川と云う"(荻の若葉)
丹波山村 0906
丹波村 たわむら 荻の若葉 全1件1題 北都留郡丹波山村 多摩川の源流部.丹波山村を丹波川が流れる.村営つり場ではカカシの釣り人が,水車小屋をにらんでいる.
"丹波山と云う所から水が発して武州多摩郡より丹波村に添うて流れるから多摩川と云う"(荻の若葉)
丹波川 0906
笹子峠 ささごとうげ 蓮華 (他 東京1件) 全2件2題 大月市〜甲州市(旧東山梨郡大和村) 電車が止まるほどの豪雪の翌朝,笹子峠越えでは誰にも会わなかった.旧笹子隧道上の峠にたどり着くと,先客の足跡がある.いったい何者.
"八王子へまいってあれから小仏峠を越し、笹子峠を越すという難所を通って甲府へ行き"(火中の蓮華)
笹子峠頂部 9801
甲府 こうふ 熱海, 皿山, 蓮華 (他 東京27件) 全30件14題 甲府市 城下町.舞鶴城の天守にある謝恩碑はどこからでも目立つ.1922年の建.
"春部と申す者が私の弟を新町河原でだまし討ちにして甲府へ逃げたという事でございます"(菊模様皿山奇談)
舞鶴城址 0802
甲府地方裁判所 こうふちほうさいばんしょ 蓮華 全1件1題 甲府市中央1 「火中の蓮華」は明治期の設定のため,裁判所や警察署が出てきて,圓朝ものとしては異質.明治期から敷地はもとのまま.
"尼はすぐに甲府地方裁判所へ送られそれだけの調べを受けまして快く死刑を遂げたという"(火中の蓮華)
甲府地方裁判所 1001
小室山 こむろさん 鰍沢, 蓮華 (他 東京10件) 全13件2題 南巨摩郡富士川町(旧増穂町小室3063) 妙法寺.犬が身代わりになって食べた饅頭の毒を護符で消した日蓮聖跡.この毒消し護符は薬事法にひっかからないが,同じく歴史ある赤膏はダメとのこと.丑の刻詣りが合法なのと裏返し.
"その時つい気のついたは小むろ山から頂いて来た毒消の護符、これ幸いと懐中に手を入れましたが包みのまま口へ入れて雪をつかんで入れて呑みました"(鰍沢雪の夜噺)
毒消し護符 9807
鰍沢 かじかざわ 鰍沢, 蓮華 (他 東京21件) 全23件4題 南巨摩郡富士川町(旧鰍沢町) 富士川水運の拠点.口留番所があった.鰍沢の船に気をつけろばかりで,船旅の場面はない.
"お祖師が身延に参詣に来ても鰍沢の舟には乗るなとおっしゃった、しかもここより外に遁れるところはない、鉄砲でぶち殺されるかそれとも助かるか一かばちか"(鰍沢雪の夜噺)
鰍沢 9801
釜ヶ淵 かまがふち 鰍沢 (他 東京4件) 全5件1題 南巨摩郡富士川町(旧鰍沢町) 「鰍沢」の主人公が飛び込んだ富士川の急流.
"前は東海道岩淵へ落す急流、しかもここは釜が淵と申す難所でございます"(鰍沢雪の夜噺)
     
身延山 みのぶさん 蝦夷錦, 鰍沢, 蓮華, 文晁 など (他 東京43件, 上方2件) 全51件16題 南巨摩郡身延町 日蓮は西谷御廟所に最初の草庵を編んだという.
"私は身延山へ参詣に参った者ですが、雪のために難渋して宿屋もなにもないやうでございます"(鰍沢雪の夜噺)
日蓮御草庵跡 0101
身延山:総門 そうもん 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町小田船原 以下ずっと「火中の蓮華」の身延案内.本文通り,惣門額には開会関とある.
"総門の額に開会関の三字は日朝上人の筆で"(火中の蓮華)
総門 0101
身延山:逢島の祖師堂 おうしまのそしどう 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町 総門入って左の玉垣.日蓮波木井公対面の地.石坂の上には發軫閣がある.
"その門をはいると西のかたの石坂の上を逢島の祖師堂と申して、高祖が初めてこの山に草庵を建てられた旧跡でございます"(火中の蓮華)
逢島 0407
身延:接待茶屋 せったいぢゃや 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町小田船原か 祖師堂のむこう.
"そのむこうに接待茶屋がありますが、これは佐野順道と申す法華の行者の尽力で近年できましたと申します"(火中の蓮華)
     
身延:小学校 しょうがっこう 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町小田船原か 接待茶屋の筋向こう.今はなし.
"その筋むこうには小学校があります"(火中の蓮華)
     
身延川 みのぶがわ 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町 参道に沿って流れ,富士川に注ぐ.
"身延川に朱塗りの橋を架しましてこれを大平橋と申します"(火中の蓮華)
     
身延:大平橋 たいへいばし 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町小田船原〜身延 身延川にかかる.今も朱塗り.橋銘板の大の字には点がある.
"身延川に朱塗りの橋を架しましてこれを大平橋と申します"(火中の蓮華)
太平橋 0101
身延:狐町 きつねまち 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 今は元町という.鳥居本に石門稲荷の碑がある.
"石門稲荷の社がありますので狐町と申すか"(火中の蓮華)
狐町 0101
身延:石門稲荷 せきもんいなり 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 石割稲荷大明神と称する.参道石段が大石を貫通している.
"石門稲荷の社がありますので狐町と申すか"(火中の蓮華)
石門稲荷 0101
身延山:碑 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 太平橋ではなく香雲橋の東にある.石の3面に"此の山の茂りや妙の一字より"(蓼太),"御命講や油のやうな酒五升"(芭蕉),"法華経とのみ山彦も鳥の音も"(完来)の三句.速記本文とは字句が違う.
"東の方の山手に建碑があります。深彫りで発句が見えました"(火中の蓮華)
俵石句碑 0407
身延:下町 したまち 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 狐町の先,今は橘町と呼ぶ.
"その先を下町、中町、上町と両側がみな商家でその中にも数珠店が多くあります"(火中の蓮華)
橘町バス停 0101
身延:中町 なかまち 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 仲町.代官邸跡の石碑がある.
"その先を下町、中町、上町と両側がみな商家でその中にも数珠店が多くあります"(火中の蓮華)
     
身延:上町 かみまち 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 本文に出てくる大和屋重兵衛という数珠屋は今はない.
"上町と両側がみな商家でその中にも数珠屋が多くあります。この身延の数珠屋では、大和屋重兵衛というのが数珠屋の始まりだと申します"(火中の蓮華)
上町数珠屋 0101
身延:田中屋 たなかや 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 上町に現存する宿屋.勘蔵は先祖とのこと.
"田中屋勘蔵という上町の宿屋が上等でございますから、これへ成らせられまして、まずお二階へ座敷をきめました"(火中の蓮華)
田中屋旅館 0101
身延山:石坂 いしざか 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 三門の奥.菩提梯と呼ばれる.七字題目の7部に分かれた石段.
"ご参詣といいましても山を上がって行きまするのは、石坂が二百八十段もあるというようなことで"(火中の蓮華)
菩提梯 0101
身延山:本堂 ほんどう 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 1983年に再建された大堂.
"かの身延はなかなか広い山で入口から本堂まで二十七、八町もあります"(火中の蓮華)
久遠寺本堂 0101
身延山:祖師堂 そしどう 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 本堂の右.1880(明治13)年に再建.棲神閣と称する.
"お祖師堂や何かをこまかに拝し、お骨堂へはいってお拝しあそばし"(火中の蓮華)
祖師堂 0101
身延山:骨堂 こつどう 蓮華, 文晁 全2件2題 南巨摩郡身延町身延 御真骨堂.かつては拝観できた.
"上人が池上の本門寺にてみまかられ、遺骨を身延山へ持って行きし時も、この狐が付いて参り始終骨堂を守護してその側を離れぬから"(谷文晁の伝)
御真骨堂 0101
身延山:覚林坊 がくりんぼう 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 日朝を祀る坊.山門の額は本阿弥光悦の筆.
"日朝さまのお堂へ夜はお籠りいたしますについては覚林坊さまというのへ願いまして"(火中の蓮華)
覚林坊 0101
身延山:日朝堂 にっちょうどう 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町身延 朝師堂.日朝水という目薬を頒布.「心眼」の梅喜は麻布の日朝様に祈願.
"これから日朝堂のほうへだらだら下りて行きました"(火中の蓮華)
朝師堂 0101
七面山 しちめんざん 蓮華 (他 東京6件) 全7件4題 南巨摩郡身延町,早川町 身延山頂の展望台から望める.山腹の敬慎院に参籠する.枕に使う丸太をコツンとやって参籠者を起こすとか.
"まァ寒いから七面さんだけはご免こうむったが、実に困った"(火中の蓮華)
七面山を望む 0101
富士川 ふじがわ 蓮華 全1件1題 山梨県 上流は釜無川,笛吹川.鰍沢から駿河湾へ南流.榧の木峠や西行峠あたりが登場する.
"ご案内のとおり下は富士川といって恐ろしい難所でございます。冬は水が涸れるというけれども、あの川は涸れませぬ"(火中の蓮華)
富士川 0101
大野 おおの 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町大野 本遠寺境内裏の高台にお萬の方(養珠院,家康側室)の墓がある.本堂は建て替えられた.
"だんだん下山いたしまして大野へかかって、大野から南部へ来て昼食をいたしました"(火中の蓮華)
大野山本遠寺 0101
清子 せいご 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町清子 小学校分校跡の小堂内には袋を担いだ人物像と稲荷が祀られる.
"その恐ろしい榧の木峠という難所へかかりました所に清子村と申す所があります"(火中の蓮華)
天神,稲荷祠そばの墓地 0407
三街沢 みつかいざわ 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町光子沢 光子沢(みつござわ)のこと.
"清子村と申す所があります。その村の人に訊きましたら三街沢と申しました"(火中の蓮華)
光子沢熊野神社 0407
大島滝 おおしまだき 蓮華 全1件1題   鰍沢プロットの滝.急流富士川の段差だろう.
"ただ板へつらまって一生懸命お題目を唱えておるうちに、がらがらがらがらず…んと大島滝でございまするの"(火中の蓮華)
大島を望む 0407
薮滝 やぶたき 蓮華 全1件1題   鰍沢プロットの滝.急流富士川の段差だろう.
"大島滝でございまするの、あるは薮滝などという所へ落ちました"(火中の蓮華)
     
榧の木峠 かやのきとうげ 蓮華 全1件1題 南巨摩郡身延町相又〜横根中 榧木峠は新旧トンネルと峠道が通じていた.峠にある題目塔は,本文にあるものとは異なる.今は相又側からしか登れない.全く道標がないので,訪問にはGPS必携.
"二,三里登ってまいると榧の木の大きなのばかりございます。榧の木峠という所もあるが、その榧の木峠ではございませぬ"(火中の蓮華)
唯勝寺題目塔 0407
上川原 かみがわら 蓮華 全1件1題 南巨摩郡南部町か 南部あたりの富士川河港らしい.
"ずゥッと南部の駅の上川原という所へこの船が着く"(火中の蓮華)
     
南部 なんぶ 蓮華 (他 東京1件) 全2件2題 南巨摩郡南部町 南部警察署が登場する.警察署の元地は法務局のあたりだった.
"これからしてぞろぞろと南部警察分署へまいりました"(火中の蓮華)
南部の町並み 0903
福士 ふくし 蓮華 全1件1題 南巨摩郡南部町(旧富沢町福士) 西行峠を降り,南部に至る間.
"これは大野から福士へかかり、それから南部のほうへ越える道でございまして"(火中の蓮華)
八幡一宮諏訪神社 0103
西行峠 さいぎょうとうげ 蓮華 全1件1題 南巨摩郡南部町(旧富沢町万沢) 駐車場からの急坂を登ったところが峠で,公園化されている.旧甲駿往還も歩ける.鞍部に富士が顔を出し,盆中の富士と呼ばれる.
"風になびく富士の煙の空に消えてゆくへも知らぬわが思ひかな"(西行).
"西行峠という所は西行が通りかかって富士を見たという"(火中の蓮華)
西行歌碑と盆中の富士 0103
西行松 さいぎょうまつ 蓮華 全1件1題 南巨摩郡南部町(旧富沢町)か 今は峠に見あたらないが,大きな松があったという.
"それで西行松というのがいまも山の上に残っております"(火中の蓮華)
     
万沢 よろずさわ 蓮華 (他 東京1件) 全2件2題 南巨摩郡南部町(旧富沢町万沢) 万沢(まんざわ).甲駿境の口留番所があった.
"万沢までの下り坂山道はどうもひどい難所であります"(火中の蓮華)
万沢口留番所跡 0103

掲載 041224/最終更新 150817

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