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長野県 その2   
はなしの名どころ
敵討札所の霊験(あらすじ)
後開榛名の梅が香(あらすじ)
其の山の根方の所に牛小屋といつて、牛方が牛を牽いて峠を越さうとする途中で、雪や霙が降ると、止むを得ず牛で取まいて其の中へ這入つて、一夜野宿を致します所で、丁度牛小屋の形がある。其處でポウポウと焚火をして居る者があります。
 (「後開榛名梅香」)
  鈴木行三編,『圓朝全集』 第十巻,春陽堂(1927)
 
地点名 出典と登場回数 位 置 備 考 写真と撮影年月
和田 わだ 草三 全1件1題 小県郡長和町(旧和田村) 中山道の宿.本陣跡は解体復元された.ここから下諏訪までは5里もある長丁場の山道.
"これから和田へはどのくらいありますか、この峠は。五里半九町と申しますが、実は六里でございましょう"(安中草三)
和田宿本陣 0208
片宿 かたじゅく 草三 全1件1題 小県郡長和町(旧和田村)か 不明.牛の宿りとなった牛宿は,位置も適当だし字面が似ている.
"これから峠を越すと余程骨が折れましょう、唐沢あたりで暮れましょうが、片宿へ行って泊まれば不自由はございません"(安中草三)
牛宿バス停 0208
唐沢 からさわ 草三 全1件1題 小県郡長和町(旧和田村唐沢) 和田峠手前の立場.その先にも接待といった地名が残り,茶屋があった.
"片宿へ行って泊まれば不自由はございませんが、唐沢へ泊まると召し上がるものはございません"(安中草三)
唐沢 0208
和田峠 わだとうげ 草三 全1件1題 小県郡長和町(旧和田村)〜諏訪郡下諏訪町 中山道の難所.和田〜下諏訪間の峠.地蔵や石碑が立っているが,ガレており落ち着いた峠ではなかった.
"急いでなだれを下りて和田峠を越して、和田宿へ参って、中屋という宿屋へ来てホット息をつき"(安中草三)
和田峠 0208
徳本立ち戻り とくほんたちもどり 草三 全1件1題 諏訪郡下諏訪町 徳本行者が立ち返ったという大石は不明だが,徳本塚が峠の南にあり,下諏訪側の麓の浪人塚のところへ移設されている.
"突き当たりは徳本立戻りという、徳本行者が立ち戻ったという大きな石塚があります、実に凄い所で"(安中草三)
徳本念仏塚 0807
牛小屋 うしごや 草三 全1件1題 木曽郡木曽町(旧日義村宮ノ越) 石小屋.牛も入れる避難小屋で石積みの一部が残る.
"山の根方の所に牛小屋といって、牛方が牛を牽いて峠を越そうとする途中で、雪や霙が降るとやむを得ず牛で取りまいてその中へはいって、一夜野宿をいたします所で"(安中草三)
石小屋あと 0208
樽木岩 たるきいわ 草三 全1件1題 諏訪郡下諏訪町 ガレた垂木状の岩棚の脇をすり抜ける中山道の難所.だから,垂木岩と書いた方がいいのでは.旧道垂木坂のあたり.
"なだれ上がりに北の方へ折り曲がってゆくと、左の方は樽木岩という樽を積みかさねたような岩のあるところ"(安中草三)
垂木坂 0208
諏訪 すわ 蝦夷錦 全1件1題 諏訪市 "思いの外に日数が掛かり、ようよう信州の諏訪を越え名代の塩尻峠を越えまして、洗馬の宿の花屋伝次郎という宿へ泊まります"(蝦夷錦故郷之家土産)      
下諏訪 しもすわ 草三 全1件1題 諏訪郡下諏訪町 諏訪大社を擁し,温泉が湧く中山道の宿.塩尻峠と和田峠の間にあり,誰もが泊まることになる.岩波本陣は公開.
"あれから下の諏訪へ掛かりましたが、久しく歩きませんから、寝足でくたびれて"(安中草三)
下諏訪宿本陣 0807
下の諏訪の鳥居前 しものすわのとりいまえ 草三 全1件1題 諏訪郡下諏訪町 下諏訪春宮の鳥居前ではないか.鳥居の奥の参道には屋根付きの下馬橋が見える.
"かれこれ只今の三時少々廻った刻限に、下の諏訪の鳥居前へ来ました"(安中草三)
下諏訪神社 0807
塩尻峠 しおじりとうげ 蝦夷錦 全1件1題 塩尻市〜岡谷市 諏訪と塩尻との間の峠.明治天皇休憩の記念碑がある.山中に突然現れる丸い巨石は塩尻峠の下諏訪側.
"思いの外に日数が掛かり、ようよう信州の諏訪を越え名代の塩尻峠を越えまして、洗馬の宿の花屋伝次郎という宿へ泊まります"(蝦夷錦故郷之家土産)
中山道の大石 9801
松本 まつもと 札所, 雪月花 (他 東京4件) 全6件6題 松本市 中山道を離れ,北へちょっと寄り道.浅間温泉と国宝天守の松本城.
"芦屋より平湯駅に出で、大峠を越し、信州松本に出まして"(敵討札所の霊験)
松本城 9910
洗馬 せば 札所, 蝦夷錦, 蝦夷な, 草三 (他 東京1件) 全5件5題 塩尻市洗馬 以下,「敵討札所の霊験」のお継は,木曽路をたどる.太田の清水は洗馬の地名の由来という.
"信州路へはいって善光寺へ参詣をいたし、善光寺から松本へかゝって、洗馬という宿へ出ました"(敵討札所の霊験)
太田の清水 0106
本山 もとやま 札所, 蝦夷錦, 蝦夷な, 草三 全4件4題 塩尻市宗賀本山 洗馬の南.川口屋は旅籠の遺構.
"お録はなおもさまざまにいいこしらえまして、花屋の主人に頼みまして、元山宿の丸屋という遊女屋へ、三十両の身の代で身をうりました"(蝦夷錦故郷之家土産)
川口屋 0106
贄川 にえかわ 札所 全1件1題 塩尻市(旧木曽郡楢川村贄川) 木曽十一宿の始まり.贄川番所は旧地のそばに復元したもの.駅のすぐ近く.
"洗馬から本山へ出、本山から新川 奈良井へ出て、奈良井から藪原へ参りまするには、此の間に鳥居峠がございます"(敵討札所の霊験)
贄川番所 0106
奈良井 ならい 札所 全1件1題 塩尻市(旧木曽郡楢川村奈良井) 枡形,水場,旅籠などなど宿場の雰囲気を残す伝統的建造物群保存地区にふさわしい町.
"洗馬から本山へ出、本山から新川 奈良井へ出て、奈良井から藪原へ参りまするには、此の間に鳥居峠がございます"(敵討札所の霊験)
奈良井宿 0106
鳥居峠 とりいとうげ 札所, 荻江 全2件2題 木曽郡木祖村〜塩尻市 奈良井〜薮原間.峠には御嶽山遙拝所がある.
"その晩は鳥居峠を越して宮之越に泊りましたが、丁度八里余の道のりでございます"(敵討札所の霊験)
鳥居峠石畳 0106
薮原 やぶはら 札所, 荻江 (他 東京2件) 全4件3題 木曽郡木祖村薮原 薮原といえばお六櫛.ドライブインでも扱っているが,宿内にも専門店がある.
"半次郎は上方へ志して信州路へ参り、信州の鳥井峠を越して宮の腰へ来ると、峠の半ばに藪原と申す所があって、お六櫛を拵えております"(月謡荻江一節)
お六櫛商店 0106
宮之越 みやのこし 札所, 荻江 全2件2題 木曽郡木曽町(旧日義村宮ノ越) 木曽義仲,巴御前らの墓は徳音寺内.巴ヶ淵や宣公碑など義仲関連の史跡に富む.
"とうとう福島を越して、須原という所に泊りましたが、宮之越からここ迄は八里半五丁の道程でございます"(敵討札所の霊験)
木曽義仲らの墓 0106
福島 ふくしま 札所, 皿山, 草三, 黄薔薇 全4件4題 木曽郡木曽町(旧木曽福島町) 木曽の中心都市.残念ながら1927年に焼けた.写真は関所を預かる山村代官の屋敷跡.
"お国は信州筑摩郡福島で、丸の内に一の字の御紋所、太神楽のような紋所で、七千五百石のお家で、熊の肝の運上が沢山取れる富貴なお屋敷でございます"(安中草三)
山村代官邸 0106
福島の関所 ふくしまのせきしょ 草三 (他 東京2件) 全3件2題 木曽郡木曽町(旧木曽福島町) 石垣に囲われた高台にある.関所施設も復元されている.
"福島のお関所へ掛かると、馴染みでございますから、こないだは先生と役人もいうくらいで、子細なく関所を越して"(安中草三)
福島の関所石垣 0106
福島:蓮光寺 れんこうじ 皿山 全1件1題 木曽郡木曽町(旧木曽福島町)に設定 蓮光寺は今みあたらない.架空か.
"信州の福島在の知己の所へ参った時の事で、この知己はかなりの身代で、山も持っている者で、そこに暫く厄介になっていた、その村に蓮光寺という寺がある"(菊模様皿山奇談)
     
黒川 くろかわ 草三 全1件1題 木曽郡木曽町(旧木曽福島町)の中山道に直交 福島の北を東に流れ,木曽川に合する.
"取り縋るを振り切って図太郎は黒川のなだれを駆けてゆく"(安中草三)
黒川 0106
木曽川 きそがわ 草三 全1件1題 木曽郡木曽町(旧木曽福島町) 長野県を南西流し,岐阜県を通り愛知県の伊勢湾に注ぐ.舞台となるのは福島あたり.
"いやだ、家へ帰れといえば木曾川へ飛び込んでしまう"(安中草三)
木曽川 0106
小松山 こまつやま 草三 全1件1題 木曽郡木曽町(旧木曽福島町)か 木曽福島に設定.
"その頃お松の方の勢いは大したもので、小松山に小松の御殿を建てたのを、誰いうとなくお松の御殿、お松の御殿というくらい"(安中草三)
     
三越 みこし か? 草三 全1件1題   福島からの逃避経路の一.読みも含めて不明.
"上方へ出たか飛騨へ越えたか、三越などと諸方へ手配りをいたしました"(安中草三)
     
木曽の桟橋 きそのかけはし 札所 全1件1題 木曽郡上松町上松桟 中山道の難所.福島からバス.対岸へ渡る橋ではなく,木の桟道.桟の台石と石に彫った文字がみられる.
"木曾の桟橋太田の渡し、碓氷峠が無けりゃアよいと申す唄で、馬士などが綱を牽きながら大声で唄いましたものでございます"(敵討札所の霊験)
桟台座の石垣 0106
寝覚の里 ねざめのさと 札所 全1件1題 木曽郡上松町上松寝覚 寝覚の床.臨川寺の境内(有料).福島からバス.浦島太郎が晩年を過ごしたところ.なかなかに幽粋.
"これから皆様御案内の通り福島を離れまして、かの名高い寝覚の里を後に致し、馬籠に掛かって落合へ"(敵討札所の霊験)
寝覚の床 0106
須原 すはら 札所 全1件1題 木曽郡大桑村須原 須原名物は水舟と桜の花漬け.寝ぬ夜半をいかにあかさん山里は月出づるほとの空だにもなし(子規).
"己はてめえと須原で合宿になり、宮之越でも合宿になった者だ"(敵討札所の霊験)
子規の歌碑と水舟 0106
御嶽山 おんたけさん 粟田口, 皿山, 草三 (他 東京6件) 全9件5題 木曽郡木曽町(旧三岳村),岐阜県益田郡小坂町あたり 「後開榛名の梅が香」で御嶽講の連中は大事な役回り.現在も信仰の山.白装束が引きも切らない.登頂だけなら6時間ほど.
"悪い事をしても御嶽山の地を踏んで罪を消してきたとか、悪い事をしたのを懺悔して身が軽くなって、サバサバしたと悦ぶ事を聞いているが"(安中草三)
鳥居峠御嶽山遙拝所から望む 0106
三の池 さんのいけ 草三 全1件1題 木曽郡三岳村 一の池から五の池まである御嶽山の山上湖の一で,二の池とともに水をたたえる.標高2718m.御嶽山の御神水で,この水に浸したまじないの紙が出てくる.
"お三の池で紙を浸して乾し揚げたのを、水の中へ入れまして、これをいただくと、お三の池の水をいただくも同じ事だというので"(安中草三)
     
清滝 きよたき 草三 全1件1題 木曽郡王滝村 御嶽山南麓の滝で,今でも滝を浴びる修行場.道路沿いなので行きやすい.
"普寛行者という人が木曾の清滝で荒行の時、滝壺より計らず得たるこの神鏡"(安中草三)
清滝 0606
飯田 いいだ 不二 (他 東京3件) 全4件4題 飯田市 「烈婦お不二」は、飯田藩江戸屋敷で天保10(1840)年に起きた事件を脚色したもの.お不二が,お家乗っ取りを謀る愛妾若山を刺殺.飯田は三方を崖で囲まれた天然の要塞都市.城跡としては赤門や柏心寺裏手の外堀跡が残る.
"信州伊那郡飯田の御城主三万石堀大和守親茂公と仰せられまするは"(烈婦お不二)
飯田城外堀跡 1505
飯田:長現寺 ちょうげんじ 不二 全1件1題 飯田市箕瀬町1 日蓮宗長源寺.境内にお不二の墓がある.噺では11月だが,墓石には12月4日とある.傍らには辞世の句,しなのなる山路の雪ともろ共に春をも待たで消る今日かな.
"菩提寺は飯田の城下法華宗田嶋山長現寺"(烈婦お不二)
山口不二墓 1505
イウゼウ いうぜう 皿山(講明治大正) 全1件1題   表記通り"いうぜう"か,それとも"ゆうじょう"か.速記者もさぞ困ったろう.
"僧「お前は那地へお出でか」娘「ハイ、妾は信州イウゼウの地まで参ります」"(松枝宿の子殺し, 三遊亭新朝演, 明治大正落語集成, 講談社(1980))
     
宇久留巣峠 うぐるすとうげ 羽織の蕎麦 全1件1題   おぐりす,くるす等々想像しても,信州の峠には似た名がない.
"帰りがけに信州路にかかり、宇久留巣峠と申す難所にかかりました"(羽織の蕎麦)
     

掲載 060616/最終更新 160701

   表の項目の説明

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