| 地点名 | この1題・登場回数 | 位 置 | 備 考 | 写真と撮影年 | 
  
    | 日向 | ひゅうが | 朝友(講明治大正3:14) など 11件8題 (東京10件, 上方1件) | 宮崎県 | 旧国名.鬼の洗濯板と呼ばれる奇勝が広がる日南海岸は,陽光をたっぷりと受けて,日向国と呼ぶのにふさわしい.かつて,青島・日南海岸が新婚旅行の人気地だったのもうなづける. 日向が出てくる「朝友」(あさとも)という珍しい落語がある.小日向に住む松月堂の娘お里と文屋康次郎が地獄で出会い,しまいによみがえる.これは,六歌仙の一人,文屋康秀が,日向の国の松月朝友(ともふさ)の体を借りてよみがえった故事と重なるという.日向と小日向,文屋康秀と文屋康次郎など,趣向に無理があり,演じられなくなったのも道理.
 "日向の国に松月朝友という者がある。その松月朝友という人の体を仮りて康秀がよみがえった"(朝友)
 | 日南海岸堀切峠 |  | 2021 | 
  
    | 高千穂峯 | たかちほみね | 加藤清正(文芸倶楽部, 34(4) (1928)) | 宮崎県 | 三升家小勝(5)の演じた「加藤清正」は,「虎狩り」の題で知られる.加藤清正の虎退治の落語なので,神話は本題ではない.枕の天孫降臨の話題で高千穂峯が登場する.神話の場所は特定されないので,現在の高千穂峰を挙げる.標高1574m.鹿児島県の高千穂河原,霧島神宮古宮から,馬の背のような御鉢の火口を回って約90分の登山.山頂には天の逆鉾がささっている. "瓊瓊杵尊が、九州の高千穂峯へお降りになつた時に"(加藤清正)
 | 高千穂峰 |  | 2019 | 
  
    | 宮崎 | みやざき | 又も華々しき華燭の典(桂三枝創作落語大全集, メディアクラフト牡牛座 (2004)) | 宮崎市 | 結婚式を題材にした新作落語に再婚旅行先として登場.かつて,青島あたりは新婚旅行の人気スポットだった.それだけ遠い場所だということ.宮崎市郊外にある生目神社は,景清の眼を収めるという.目を洗う御供水を授与する.落語では,「景清」の眼は京都清水寺の観音様が預かっている. "宮崎から、別府へと九州を回られます"(又も華々しき華燭の典)
 | 生目神社の神木クスノキとイチョウ |  | 2021 | 
  
    | 阿波岐原 | あわぎはら | 神代物語(新風上方:19) など 2件2題 (東京1件, 上方1件) | 宮崎市阿波岐ヶ原町あたりか | 大祓祝詞の一節.江田神社周辺には禊地や天孫々々三寶々々といった聖地がある.宮崎空港からシーガイア行きのバスを利用するのが早かった. "あの世の汚れを払おうというので、筑紫の国日向の橘の小門の阿波岐原へやってきまして"(神代物語)
 | 阿波岐原 |  | 2001 | 
  
    | 延岡 | のべおか | 運附酒(三一上方2:20) 1件1題 (上方1件) | 延岡市 | 旭化成の大煙突は町のシンボル.撮影地の愛宕山へは延々と続く太郎兵衛狐の石段を登る.延岡城址には,一つの石をはずすと崩れるしかけの千人殺しの石垣がある.用例は「運つく酒」(長者番付).船頭時代の辰巳屋が,延岡出身の客が忘れた金をちゃんと保管していたことから運がついてきたというエピソード. "その人は日向の延岡の人で"(運附酒)
 | 大煙突 |  | 2020 | 
  
    | 高千穂 | たかちほ | 古事記談(柳家小満ん口演用「てきすと」 3, てきすとの会 (2015)) | 西臼杵郡高千穂町 | 「古事記談」は,古事記を1席にまとめた小満ん師の新作.高千穂町は,宮崎県北部,延岡の西の山中.切り立った溶岩の壁に囲まれた高千穂峡は宮崎県を代表する観光地.遊歩道から真名井の滝を見下ろしたり,手こぎボートで滝音を間近に聞くことができる.岩屋伝承地は,東方8キロほどの天岩戸神社で,岩戸川対岸に開いた天岩戸を遙拝できる. "天孫降臨の地として知られる宮崎県の高千穂町も、この岩屋の伝承地の一つで厶います"(古事記談)
 | 高千穂峡真名井の滝 |  | 2019 | 
  
    | 高千穂宮 | たかちほぐう | 紀元節(新作落語名人三人集, 室戸書房 (1943)) | 宮崎県か | 「紀元節」は,春風亭柳好が演じた戦前の国策落語.紀元節は神武天皇が即位した日で,現在の建国記念の日.神話の高千穂宮の候補はいくつかある.前項の高千穂町の高千穂神社もその一つ.霧島連峰高千穂峯の山頂近くにも,霧島神宮元宮がある.噴火によって鹿児島県側の山麓に移され,旧地には小さな祠が残されている. "そこで兵を従へさせられて日向国高千穂宮を御出御なされた"(紀元節)
 | 霧島神宮元宮 |  | 2019 |