HOME >> はなしの名どころ >> prev 奈良県 next
奈良県 その1   
圓朝地名図譜
爰に大和國郡山に源九郎稻荷といふのがございます。之は皆樣も疾くに御存じの千本櫻で有名の源九郎狐(きつねただのぶ)を祀つたものでございます。所が此の源九郎狐が一ツ東京見物に出掛けやう
 (入船亭扇橋 「源九郎狐」)
  演藝倶楽部, 2(4), 148 (1913)

地点名 この1題・登場回数 位 置 備 考 写真と撮影年
奈良県 奈良の大仏さん(レオ三枝5:10) 1件1題 (上方1件) 奈良県 明治初年,一時的であれ堺県に編入された.
"せめて奈良県のハンバーガー屋だけでも、ハンバーガーの中に奈良漬けをはさんでもらうとか"(奈良の大仏さん)
     
大和 山崎屋(講明治大正7:04) など 91件36題 (圓朝4件, 東京48件, 上方39件) 奈良県 旧国名.大和の万歳は重大な罪.
"ヘエ、大和のまんざいだすね"(土橋万歳)
     
生駒 口合小町(立米朝2:12) 1件1題 (上方1件) 生駒市 生駒の聖天さんの門前町にある旅館には,風俗営業許可店や十八禁の札が掲げられ,昔ながらの遊びの形が余命を保っている.
"河内の生駒の里の高安左衛門の娘、生駒姫"(口合小町)
     
生駒山 鷺とり(PHP枝雀:1) など 4件3題 (上方4件) 生駒市 標高642m.三角点は生駒山上遊園地の豆列車の軌道内にある.
"むこうの山、見たことのある山やなァ。ア、生駒の山やでェ"(鷺とり)
頂上駅と一等三角点 2005
生駒の聖天 牛の丸薬(三一大系8:13) など 2件2題 (上方2件) 生駒市門前町 宝山寺.歓喜天を祀る.背後は,役行者が修行した般若窟.生駒聖天へは通勤手段といった感じで,複線のケーブルが通じている.
"あ、聖天さん祀ってある山でんな"(牛の丸薬)
聖天堂と般若窟 2005
雀の茶屋 お伊勢参り(新和上方復刻:17) など 2件2題 (上方2件) 生駒市か 不明.暗峠を生駒側へ下る道すがらにあるように読めるがわからない.
"登が雀の茶屋、下りが砂茶屋"(お伊勢参り)
     
小瀬 伊勢参宮神乃賑(創元米朝6:03) 1件1題 (上方1件) 生駒市小瀬町 小瀬(おぜ).暗越奈良街道.新興住宅地に完全にのみ込まれている.写真の中央のくぼみが,次項の榁木峠.
"小瀬に砂茶屋尼ヶ辻"(伊勢参宮神乃賑)
小瀬を望む 2005
榁木峠 七度狐(講落語全集2:11) など 7件4題 (東京2件, 上方5件) 大和郡山市矢田町〜生駒市 薄暗い急坂を登りきると急に視界が開け,峠に至る.お地蔵様が峠を見下ろし,榁木大師と民家がある.
"ここを越すと直ぐ向うが諸木峠"(七度狐)
榁木峠の急坂 2005
蚊燻べ峠 東の旅(新和上方復刻:08) など 2件1題 (上方2件) 架空 榁木峠に続いて登場.架空.榁の木が蚊燻しになることからの洒落.
"蚊くすべ峠、おっと違うた、むろノ木峠、むろノ木は蚊くすべに成るそうでございます"(東の旅)
     
追分 七度狐(講落語全集2:11) など 4件3題 (東京2件, 上方2件) 奈良市中町,大和田町 砂茶屋手前,郡山街道との追分.尼ヶ辻の後に配置されている例があるが,それは誤り.追分本陣の村井家とすり鉢状の谷を埋める梅林がある.
"続いて追分、片々が京街道、まっすぐに行くと奈良でございます"(七度狐)
追分本陣 2005
砂茶屋 猿後家(講文庫6:30) など 4件4題 (上方4件) 奈良市中町 道路標識の正面は国道308号(奈良街道)ではあるが,他の道よりも細い線で描かれ,行き先が示されていない.もともと暗峠へ続く街道なのだが,古道のため一部車の通行ができないところがある.
"砂茶屋も通り越しまして、三条通り尼が辻まで"(猿後家)
砂茶屋交差点 2005
赤膚焼 新作「三題噺」(金魚,茶筅,赤膚焼)(新和上方復刻:10) 1件1題 (上方1件) 奈良市六条緑町あたり 赤膚山の土を使った陶器.その名から想像していたのと大違いで,釉薬により白い肌をしていた.
"けど勿体ないな、これは赤膚です。瀬戸物でしょう"(新作「三題噺」)
赤膚焼窯元 2005
尼ヶ辻 伊勢参宮神乃賑(創元米朝6:03) など 7件4題 (東京2件, 上方5件) 奈良市尼辻あたり 見どころが少ない.尼ヶ辻駅前には喜光寺(菅原寺)を示す菅原道の大きな道標.
"尼ヶ辻、ここに棒が一本立ってございまして右が大和の郡山、左は南都奈良としてございます"(伊勢参宮神乃賑)
近鉄 尼ヶ辻駅 2002
南都 東の旅(新和上方復刻:08) など 5件4題 (東京1件, 上方4件) 奈良市 "左は奈良南都、南都とは南の都やそうで"(東の旅)      
奈良 あられ酒(新風金語楼2:01) など 82件34題 (圓朝3件, 東京45件, 上方34件) 奈良市 駿河とならんで神主が有名.
"奈良に生まれて手奈良いの、いろは匂えど、きょうここに、奈良ぶ料理の香の物、奈良で食うなら漬物を、出す奈良わしがいけねえか"(あられ酒)
     
奈良町 吉野狐(三一上方1:11) など 3件1題 (上方3件) 奈良市 西新屋町あたりに古い町並みが残り,ならまちとして地域振興をはかる.奈良町資料館なども開設.
"大和の国は奈良町の、片ほとりなる野辺に住む、無官の狐"(吉野狐)
ならまち界隈 2006
三笠山 反故染め(講古典上方艶:21) など 17件9題 (東京8件, 上方9件) 奈良市雑司町 天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも(阿部仲麻呂).若草山でなく,御蓋山の別の表記との説明.(順番は変だが)法山,春日山,花山の三山が一直線.
"肩のところが、『三笠の山にいでし月かも』、まあ、よけいあんたの肩がすっきり見えるがな"(反故染め)
三笠山 2002
三本杉 御祝儀「東の旅」(三一上方1:24) 1件1題 (上方1件) 奈良市春日野町 春日山周遊路を大杉交番から登ってゆくと,休憩所の前に枯死した三本杉があり,標柱が立っている.
"大杉三本杉と残るくまなく見物いたしまして"(御祝儀「東の旅」)
三本杉跡 2005
花山 鹿政談(青圓生02:03) 1件1題 (東京1件) 奈良市春日野町 春日山の東方.標高498m.春日山一帯の脇道には立ち入り禁止の札が立つのに,なぜかこの登山口には表示がない.
"そのうしろにまた少し大きいのがある、花山という、この三つを総称して三笠山という"(鹿政談)
花山登山口 2005
法山 鹿政談(青圓生02:03) 1件1題 (東京1件) 奈良市誓多林町 芳山(ほやま).標高517m.柳生街道,峠の茶屋の先から入るところがわかりにくい.奥の茶畑の鉄扉まで登れば後は案内がある.天平期の作といわれる三面石仏は圧巻.
"これを法山という……ほうやまと書きますが、むこうではこれをほやま"(鹿政談)
芳山三面石仏 2005
鴬の滝 御祝儀「東の旅」(三一上方1:24) 1件1題 (上方1件) 奈良市川上町 芳山と花山の間.奈良奥山ドライブウェイの休憩所から橋を渡り北に入った所.バス運行もなくなり,ほとんど車も来ないので,ハイキング気分で歩くのが無難.三本杉から芳山,鴬の滝を見て春日大社へ抜ける半日の行程.
"そのほか鶯の滝、蝙蝠の窟"(御祝儀「東の旅」)
鴬の滝 2005
木辻 御祝儀「東の旅」(三一上方1:24) 1件1題 (上方1件) 奈良市東木辻町あたり 木辻遊廓で有名.東木辻町あたり.明治に入っても盛んだったが,売防法で壊滅.称念寺には木辻格子と無縁塔の中に遊女墓が残る.
"その晩は木辻で泊まりました"(御祝儀「東の旅」)
称念寺 2006
薬師寺 除夜の雪(創元米朝5:10) 1件1題 (上方1件) 奈良市西ノ京町 法相宗大本山.東塔西塔を持つ薬師寺式伽藍.拝観有料.落語本文には出てこない寺.
"バレンタインデイに贈り物をしてるかと思うと、薬師寺へ行って般若心経のお写経をしてる"(除夜の雪)
薬師寺 2002
郡山 けつね(阪大上方17:1) など 9件7題 (上方9件) 大和郡山市 城下町.菜の花の中に城あり郡山(森川許六).金魚養殖で知られる町.
"奈良か郡山の町へ行て、綺麗なべべに帯、かんざし"(けつね)
郡山城天守石垣 2002
源九郎稲荷 けつね(阪大上方17:1) 1件1題 (上方1件) 大和郡山市洞泉寺町 狐忠信が祭神.戦後では「けつね」という噺にしか出てこないが,戦前の速記には江戸の稲荷が総出となる「源九郎狐」という噺がある.入船亭扇橋演で,演藝倶楽部 2巻4号(1913)に所載.
"牛若丸もやっぱりけつねの一門、源九郎で源九郎稲荷"(けつね)
源九郎稲荷 2002
法隆寺 兵庫船(三一上方2:09) など 4件3題 (東京1件, 上方3件) 生駒郡斑鳩町法隆寺山内 何といっても世界最古の木造建築.10分しか見ていないのに何か書くのは恐れ多い.
"多武の峰談山神社、法隆寺"(兵庫船)
法隆寺 金堂五重塔 2004
龍田川 千早振る(筑摩古典06:17) など 21件4題 (東京19件, 上方2件) 生駒郡斑鳩町あたり 千早振る神代も聞かず龍田川からくれないに水くぐる(在原業平).前段に「陽成院」がつく噺.紅葉の名所.元々は大和川のことだという.モミジが植えられた斑鳩町の竜田川を探しているようではダメか.
"竜田川……何処かの川かい?いやァ…川じゃない"(千早振る)
竜田川公園 2006
龍田山 洒落小町(講明治大正4:50) など 14件6題 (東京9件, 上方5件) 生駒郡三郷町あたり 風吹けば沖つ白浪たつた山夜半にや君が一人越ゆらん(井筒姫).「洒落小町」,やはり業平の噺.大和川北の広い地域,特に三室山周辺を指すらしい.大阪府に入るが,三角点の先に傳龍田神社本宮址碑がある.
"流行唄じゃアねえや。風吹けば沖津白浪龍田山"(洒落小町)
三室山より 2006
川西 けつね(阪大上方17:1) 1件1題 (上方1件) 北葛城郡川西町 兵庫県の川西と早とちりしたところ,奈良の川西と教示いただいた.面塚は新しい碑だが,観阿弥の出生にちなみ,観世流発祥を示す.10mほど移転.
"今朝も、川西の知るべへ行く途中で、悪いかりゅうどに捕えられ"(けつね)
面塚旧地碑 2004
箸尾 けつね(阪大上方17:1) 1件1題 (上方1件) 北葛城郡広陵町 「けつね」という噺にしか出てこない.箸尾駅から離れているが狐塚,巣山古墳といった狐を思わせる地名もある.陪塚(ばいちょう)らしい狐塚古墳は道路で分断されている.
"広々とした大和平野、あの箸尾の在の街道筋を"(けつね)
狐塚古墳 2005
丹波市 東の旅(新和上方復刻:08) 1件1題 (上方1件) 天理市丹波市町 丹波市(たんばいち).今は天理市内.写真の市座神社は市神を祀る.
"馬に乗って丹波市へ出まして"(東の旅)
市座神社社頭 2004
山の辺道 河村瑞賢(にっかつ談志:5) 1件1題 (東京1件) 桜井市 奈良から天理を通り桜井に至る山沿いの古道.よく整備されているおり,ハイカーが多い.噺に出るのは玄賓庵付近.
"奈良山ノ辺ノ道にあります元贇庵がそれでございます"(河村瑞賢)
山の辺道 2004
元贇庵 河村瑞賢(にっかつ談志:5) 1件1題 (東京1件) 桜井市茅原373 玄賓庵(げんぴあん).三輪神の亡霊が訪れる謡曲三輪の舞台.現在地へ移転している.
"奈良山ノ辺ノ道にあります元贇庵がそれでございます"(河村瑞賢)
玄賓庵山門 2004
三輪 軽業(創元米朝6:04) など 6件4題 (東京1件, 上方5件) 桜井市 「杉酒屋」杉玉の起源,大神神社.酒造業者の信仰が篤い.その一の鳥居前に,奈良の旅籠屋三輪の茶屋があった.だまされしゃんすな,しょんがいな.
"ならぬ旅籠や、三輪の茶屋。茶屋の姉貴が飛んで出て、だまされしゃんすなお若い衆"(軽業)
大神神社一の鳥居 2004
桜井 常大夫義大夫(伊勢参宮神賑,青蛙房 (2014))など 桜井市 駅前にあるポールの各面には,芸能創生の地,さらに仏教公伝の地,相撲発祥の地,万葉集発燿の地.なんしかエライ所だす.
"喜六・清八が、奈良から三輪、桜井、西国三十三ケ所第八番の札所・長谷寺の手前まで、やって参りますと"(常大夫義大夫)
芸能創生の地碑 2004
初瀬 お伊勢参り(新和上方復刻:17) 1件1題 (上方1件) 桜井市初瀬町 長谷寺の門前町.旅館や土産物屋などが軒をつらねる.
"初瀬まで足をのばしました"(お伊勢参り)
初瀬の町並み 2004
長谷寺 綱七(騒人名作05:12) など 13件8題 (圓朝1件, 東京4件, 上方8件) 桜井市初瀬町773 西国三十三ヶ所第8番札所.真言宗豊山派総本山.拝観有料.長い屈曲した登廊をたどってゆく.牡丹はもちろん,桜や紅葉の寺.
"大和の国は長谷寺に鎮座まします観世音大菩薩、沢田が命はここ龍神に備え奉る"(綱七)
長谷寺 2004
長谷寺:舞台 七度狐(講落語全集2:11) など 2件1題 (東京2件) 桜井市初瀬町773 長い登廊を上ったところにある長谷寺本堂は,舞台を崖に突き出している.国宝指定された.
"『長谷の舞台から化粧坂見れば、今は牡丹の花盛り』"(七度狐)
内陣から舞台を望む 2004
化粧坂 七度狐(講落語全集2:11) など 2件1題 (東京2件) 桜井市初瀬町か 不明.同じ長谷でも鎌倉長谷の近くには化粧坂がある.
"と伊勢音頭にもあります"(七度狐)
     
月ヶ瀬 兵庫船(三一上方2:09) など 2件1題 (上方2件) 奈良市(旧添上郡月ヶ瀬村) 月ヶ瀬の名物の梅.梅林は谷筋にあり,梅の時期になると観光客が殺到するため,駐車や通過することがままならない.
"また春先には、月ヶ瀬の梅、君野の桜"(兵庫船)
月ヶ瀬梅渓 2003
宇陀郡 白木屋(講明治大正2:14) など 5件2題 (東京5件) 宇陀郡 "そもそも国の始まりは大和国、郡の始まりが宇陀郡"(白木屋)      
天の香具山 鮫講釈(三一談志3:11) など 2件1題 (東京2件) 橿原市南浦町 だだっ広い藤原宮址(橿原市高殿町あたり)からは,天の香具山ほかの大和三山を望める.
"石川や浜の真砂は尽きるとも、むべ山風を天の香具山"(鮫講釈)
天の香具山 2004
新口村 本堂建立(講昭和戦前6:07) など 6件5題 (東京6件) 橿原市新口町 近松作,冥途の飛脚−新口村.伝忠兵衛墓が善福寺内(新口町454)にある.新ノ口駅北西だがわかりにくい.梅川忠兵衛.
"浦里の手を取って、大和新口村まで参りました折は、四十両の金は使い果たしてたった二分しか残りまへん"(本堂建立)
伝忠兵衛墓 2002
八木 あんま炬燵(初代桂春団治落語集, 講談社 (2004)) 橿原市八木町あたり 大和の八木.「あんまの炬燵」の盲人の出身地.だから,お店の小僧のためにコタツになって大和炬燵だという.炬燵といってもアンカのような形.古道の横大路と下ツ道が交わる札の辻は,交易も盛んな八木の中心街だった.芭蕉句碑「草臥て宿借る此や藤の花」.
"大和の八木の者がお宅で炬燵ん中入って番頭はん、丸でヤ・ヤ・大和炬燵やがな"(あんま炬燵)
札の辻 2011
橿原神宮 兵庫船(三一上方2:09) など 2件1題 (上方2件) 橿原市畝傍町 明治期に京都御所を移築して創建.あの紀元二六〇〇年式典がここで行われ,そのために近鉄は路線を付け替えた.
"大和の国と申しまして、第一に橿原神宮"(兵庫船)
橿原神宮社頭 2004
多武峰談山神社 兵庫船(三一上方2:09) など 4件3題 (上方4件) 桜井市多武峰 多武峰談山神社(とうのみねたんざんじんじゃ).拝観有料.藤原鎌足が祭神で,やはり木造十三重塔は圧巻.裏山に大化改新の密談を行った談所の森と鎌足墳墓.バス間合いの1時間で見るには急ぐべし.
"多武の峰談山神社、法隆寺"(兵庫船)
十三重塔 2004
藤原鎌足の菩提所 東の旅(新和上方復刻:08) など 2件2題 (上方2件) 桜井市多武峰 談山神社のこと.
"多武峰へまいり藤原鎌足公の菩提所も見物いたしまして"(東の旅)
     
橘寺 城木屋(青圓生12:16) など 4件2題 (東京4件) 高市郡明日香村橘 聖徳太子誕生所.拝観有料.伽藍はすっかり建てかわっているが,奇妙な形の五重塔心礎が残る.本堂脇に善悪を表すという二面石.
"島の始まりが淡路島、寺の始まりが橘寺"(城木屋)
橘寺五重塔心礎 2004
壺阪寺 入目の景清(講落語全集1:12) など 5件4題 (圓朝1件, 東京4件) 高市郡高取町壺阪3 南法華寺.西国三十三ヶ所第6番札所.拝観有料.浪花亭綾太郎「壺阪霊験記」でなじみ.沢市つぁんはちょうど像の裏の崖から身を投げた.お帰りには,サワイチ目薬Vをどうぞ.
"壺坂寺の観音様へ信心をしたらば、沢市の眼が開いたというのは、芝居や浄瑠璃にもあるではないか"(入目の景清)
壺阪寺お里沢市像 2004
中将姫古跡の松 片側町(立名人名演04:04) 1件1題 (東京1件) 葛城市(旧北葛城郡當麻町)か 浄瑠璃「中将姫」外題と同じ地名.当麻寺にある来迎松を指すか.当麻寺は蓮の糸で編んだ当麻曼陀羅(国宝)を所蔵.
"きれいに絵の描いた板が嵌まっていて、女湯は"中将姫古跡の松""(片側町)
中将姫御来迎松 2000
金剛山 牛の丸薬(三一大系8:13) 1件1題 (上方1件) 御所市,大阪府南河内郡千早赤阪村 標高1125m.赤阪,千早城は大阪側.ロープウェイも利用できるが,登山客が非常に多い.冬の霧氷が名物.
"あれは河内の金剛山や。楠公はんのお城のあったところでんな"(牛の丸薬)
金剛山を望む 2005
下市 けつね(阪大上方17:1) 1件1題 (上方1件) 吉野郡下市町 「義経千本桜 鮨屋の段」.下市には料理旅館の弥助が現存する.「鮨屋」のいがみの権太の墓は阿智賀瀬ノ上の民家にある.椿橋そばだが非常にわかりにくい.
"吉野の里に程近い、下市の在に住んでおります"(けつね)
いがみの権太墓 2005
妹山 極楽坂の決闘(弘文小佐田定雄:02) 1件1題 (上方1件) 奈良県:架空 この新作では紀和にまたがる妹山背山を舞台に設定.歌舞伎の「妹背山」では奈良県吉野町の吉野川をはさむ妹山,背山とされる.
"大和と紀伊の国境に、妹山と背山という二つの山がございます"(極楽坂の決闘)
妹山(左)背山(右) 2005
吉野川 極楽坂の決闘(弘文小佐田定雄:02) 1件1題 (上方1件) 奈良県 妹山背山付近が舞台.下流は紀ノ川.前項の撮影地は,吉野町の水泳場というバス停のそば.
"この吉野川のあたりに何匹犬がいてるかわからんが"(極楽坂の決闘)
     
五條 鯉網(初代桂春団治落語集, 講談社 (2004))に登場 五條市 五條の漁師の網打ちスキルが高いという説明.五條新町通の町並みの中でも栗山家住宅は豪壮(非公開).
"大和の五條い行きますと、旦さん、この腕いさいて、網を掛けまへん"(鯉網)
栗山家住宅 2005
大津念仏寺 たが屋(三一談志1:09) 1件1題 (東京1件) 五條市大津町 大津は滋賀県ではなく五條の集落の名.念仏寺陀々堂で大鬼小鬼が走り回る火祭り(重要無形民俗文化財)が,1月14日に行われる.
"大津念仏寺のだだ押しの鬼走りの火祭り等があります"(たが屋)
大津念仏寺 2005
吉野 鼻利き源兵衛(立名人名演03:16) など 44件25題 (圓朝2件, 東京27件, 上方15件) 吉野郡吉野町 今も吉野すしを名乗る店が多いが,ここが寿司の別名にもなっている弥助.「お化け長屋」,拾った財布で弥助でも取ろうなどと使われる.「義経千本桜」では,すし屋弥助,実は平惟盛として描かれる.最近まで釣瓶鮨を商っており,邸内に維盛塚がある.
"はなが見たいな。吉野へござれ……"(鼻利き源兵衛)
料理旅館弥助 2005
口の千本 春(白川小春団治:11) 1件1題 (上方1件) 吉野郡吉野町吉野山あたり 下の千本と同じ.大橋は下に水がない空堀で,天王橋,丈の橋とともに吉野三橋の一.アジサイでなくもちろん桜の名所.
"口の千本が八分咲きで、明日明後日頃は多分満開"(春)
大橋 2005
吉野:銅の鳥居 天王寺詣り(普通名作1:02) など 5件2題 (東京1件, 上方4件) 吉野郡吉野町吉野山 日本三鳥居の一,銅の鳥居.重文.大峯山寺の入り口にあたり,山上ヶ岳までの4つの門の最初.
"大和吉野にあんのが銅の鳥居、芸州安芸の宮島が楠の鳥居、天王寺が石の鳥居"(天王寺詣り)
銅の鳥居 2005
中の千本 春(白川小春団治:11) 1件1題 (上方1件) 吉野郡吉野町吉野山 吉野に逃れた南朝後醍醐天皇は死して北朝の都を睨む中の千本,如意輪寺に墳墓が設けられた.
"中の千本が六分咲き"(春)
吉野朝宮址碑 2005
如意輪寺 春(白川小春団治:11) 1件1題 (上方1件) 吉野郡吉野町吉野山 後醍醐天皇の勅願寺.楠木正行が辞世を記した扉は宝物館.文字が細いのは矢じりで刻んだせい.帰らじとかねて思へば梓弓なき数に入る名をぞとどむる.
"吉野山には南朝の忠臣楠正行の史蹟があります(中略)如意輪堂の扉に"(春)
正行辞世の扉 2005
奥の千本 春(白川小春団治:11) 1件1題 (上方1件) 吉野郡吉野町吉野山あたり 西行隠棲の地(とくとくと落つる岩間の苔清水汲みほすほどもなきすまひかな).芭蕉も訪れた(露とくとく試みに浮世すすがばや).義経隠れ塔は,急襲された義経が天井を破って脱出した蹴抜の塔.「居残り佐平次」の文句.
"花の吉野は、奥の千本がまだ蕾"(春)
義経隠れ塔 2005
洞川 愛宕山(創元米朝1:01) など 6件3題 (上方6件) 吉野郡天川村洞川 洞川(どろがわ).非常に苦い腹薬の陀羅尼助が名物.現在も盛んに売られているが,薬事法上,家内生産ではなくなり,従来の板状よりも丸薬が主流.
"洞川でダラスケ買うてきて。山上参りみたいに言うてるがな"(愛宕山)
洞川の町並み 2005
大峰山 鋳掛屋(講ス文庫大全:55) など 9件5題 (上方9件) 吉野郡天川村洞川 山上ヶ岳(大峰山)の山頂に大峯山寺がある.修験道の本山で女人禁制を守る.「いかけ屋」のサゲの"あんじょうお詣り"に似た"ようお詣り"が登山者の挨拶.
"「私は山上参りや」「ああ、ごきげんようお参りやんな」"(鋳掛屋)
大峯山寺 2005
十津川 兵庫船(三一上方2:09) など 2件1題 (上方2件) 吉野郡十津川村 川尽くしで登場.ぽつんと離れているポイントなので,熊野側から入った方が近い.北海道へ入植したのが新十津川.野猿と呼ばれる人力ケーブルカーで川を渡れるところもある.
"私は、大和の十津川です"(兵庫船)
十津川 2002
篠原村 たが屋(三一談志1:09) 1件1題 (東京1件) 不明 不明.鍵屋の祖とある.
"大和国は篠原村から弥兵衛という若者が江戸に出てきた"(たが屋)
     
南禅寺坂 お猿旦那(金園かたびら3:15) 1件1題 (東京1件) 架空 "興福寺の五重塔や南禅寺坂を下りますと池がございました"(お猿旦那)      
へいびき山 けつね(阪大上方17:1) 1件1題 (上方1件) 架空 架空の山名.落語家の符丁,一,二,三のもじり.
"この次の村のへいびき山という大きな丘の一軒家"(けつね)
     

掲載 050211/最終更新 200101

   表の項目の説明

HOME >> はなしの名どころ >> prev 奈良県 next