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山形県   
圓朝地名図譜
この山寺は仏様もありがてえが、蝉も名物でごぜえます。
 (三遊亭円窓(6) 「閑かさや」)
  三遊亭円窓,『おもしろ落語図書館 <その二>』,大日本図書(1996)

 山寺を舞台にした圓窓師の創作落語.山形の噺はこれ1席.
 
地点名 この1題・登場回数 位 置 備 考 写真と撮影年月
山形県 時そば(新潮志らく:1) 1件1題 (東京1件) 山形県 置賜地方から北へ天童へ抜け,今度は海岸線を北へ上るルートで,地理的に近い地点をつないで山形県の落語地名を紹介してゆく.実際には交通の便が悪く,この順で移動することは難しい.
"江戸は江戸でも山形県生まれだからよ、気は長ぇんだよ"(時そば)
     
米沢 雪鴉(落語見取り図, うなぎ書房(2005)) 米沢市 米沢牛の町.米沢城址は上杉神社となり,上杉鷹山と謙信がたくさん.上杉鷹山の名文句が碑になっていた.なせば成るなさねば成らぬ何事もナセルはアラブの…….
"幅三寸五分の大鉋の刃、米沢の加藤某が打ったとはいうものの"(雪鴉)
米沢城址 0612
米沢:本町 官員小僧(中礼堂 (1890)) 米沢市 米沢には旧町名説明板があちこちに立てられているが,本町は不明.城の南東部にあたる現在の本町には,米沢の銘酒東光の酒蔵がある.
"わしを出羽の米沢本町でございますが商売は生糸でございます"(官員小僧)
東光酒蔵 1407
上の山 駅名読み込み川柳大会(牧野駅名:1) 1件1題 (東京1件) 上山市十日町 上ノ山駅.1992年にかみのやま温泉駅と改称.上ノ山城の麓に新湯などの湯場.
"上の山スキーの客も温泉(ゆ)に浸り"(駅名読み込み川柳大会)
かみのやま温泉駅由来説明板 0502
蔵王 駅名読み込み川柳大会(牧野駅名:1) 1件1題 (東京1件) 山形県, 宮城県 これも,駅名を題材の新作落語.蔵王駅(旧金井駅)はあるが,ここで降りても蔵王へは行けない.
"ああ、蔵王のスキーですね。その調子で"(駅名読み込み川柳大会)
蔵王御釜 0407
山形 角兵衛の女房(騒人名作08:19) など 4件5題 (圓朝1件, 東京4件) 山形市 最上氏により確立された都市.元からの城跡は堀と石垣ばかり.
"上野介が上杉家へ引き取られ、国表の出羽山形へ立ち退くという話"(角兵衛の女房)
山形城 1407
立石寺 ねずみ(青三木助:13) など 3件2題 (東京3件) 山形市山寺 山寺.噺の中では,左甚五郎が参拝予定.マクラに出てくる芭蕉は元禄2(1689)年に訪れた.
"塩釜さまをお詣りしたり、瑞巌寺、山寺、そういう所を見てきてえと思うけど、どうだな"(ねずみ)
納経堂 9110
立石寺:根本中堂 閑かさや(大日本図書館02:05) 1件1題 (東京1件) 山形市山寺 以下ずっと三遊亭圓窓の新作「閑かさや」1件のみに出てくる落語地名が続く.根本中堂は国重文.左脇に嘉永6(1853)年の芭蕉句碑.
"方丈さま、さっき、根本中堂の所にいらっしゃったぞ"(閑かさや)
根本中堂 0110
立石寺:秘宝館 閑かさや(大日本図書館02:05) 1件1題 (東京1件) 山形市山寺 山王の本地仏,仏具などを有料展示.狭っ.
"山門への右側には日枝神社、秘宝館"(閑かさや)
秘宝館 0110
立石寺:芭蕉と曽良の像 閑かさや(大日本図書館02:05) 1件1題 (東京1件) 山形市山寺 芭蕉像は1972年,曽良像は1989年にある親子が建立.
"左側にひと休みしている芭蕉と曽良の像"(閑かさや)
芭蕉と曽良の像 0110
立石寺:石段 閑かさや(大日本図書館02:05) 1件1題 (東京1件) 山形市山寺 四寸道では石段の幅が狭まり,親子が同じ場所を踏むという.
"上まで一〇一五段の石段があるそうで"(閑かさや)
四寸道 0110
立石寺:蝉塚 閑かさや(大日本図書館02:05) 1件1題 (東京1件) 山形市山寺 百丈岩の下,茶店の脇.宝暦元(1751)年建.碑の正面は芭蕉翁,側面は句文.句は申すまでもなく"閑かさや岩にしみ入る蝉の声".
"仁王門の少し手前に、蝉塚があります"(閑かさや)
蝉塚 0110
立石寺:仁王門 閑かさや(大日本図書館02:05) 1件1題 (東京1件) 山形市山寺 石段の途中.
"山門を入って、仁王門"(閑かさや)
仁王門 0110
立石寺:如法堂 閑かさや(大日本図書館02:05) 1件1題 (東京1件) 山形市山寺 奥の院.常火が灯る.左側には大仏殿.
"二人は汗びっしょりで、如法堂という奥の院のそばまで来た"(閑かさや)
如法堂 0110
立石寺:奥の院 閑かさや(大日本図書館02:05) 1件1題 (東京1件) 山形市山寺 如法堂のこと.
"ここでは鳴いていませんが、奥の院まで登れば鳴いております"(閑かさや)
     
日枝神社 閑かさや(大日本図書館02:05) 1件1題 (東京1件) 山形市山寺 神仏分離により立石寺より独立.根本中堂の左.
"山門への右側には日枝神社、秘宝館"(閑かさや)
日枝神社 0110
若松さま お神酒徳利(青圓生08:02) など 2件1題 (東京2件) 天童市山元2205 縁結びの若松観音.花笠音頭,めでためでたの若松さま♪の用例.境内に歌碑がある.「御神酒徳利」冒頭の煤払いの場面に出てくる.新たに追加したので,件数は不確か.
"めでためでたの若松さま……と、音頭を取りながら、ばたばたばたばた、掃除がはじまります"(お神酒徳利)
若松寺観音堂 0502
天道 函館三人情死(百花園 (1891)) など 天童市 天童.温泉街もあるが,なんといっても将棋駒の生産日本一の町.城跡の公園で,春先に人間将棋の大会が開かれる.町のあちこち,郵便ポストや公衆便所にも将棋の意匠があふれる.駅にも将棋資料館が設けられている.
"天道から二口越えの峠を越し 宮城で稼いだその上で奥州道を東京へ"(函館三人情死)
人間将棋会場 1407
鼠ヶ関 駅名読み込み川柳大会(牧野駅名:1) 1件1題 (東京1件) 鶴岡市(旧西田川郡温海町鼠ヶ関) 「駅名読み込み川柳大会」に登場の十二支のつく駅名.駅の北,徒歩5分で陸奥への関所,念珠関跡.駅南には古代鼠ヶ関址.
"ここからは蝦夷地であった鼠ヶ関"(駅名読み込み川柳大会)
念珠關址碑 0502
温海 駅名読み込み川柳大会(牧野駅名:1) 1件1題 (東京1件) 鶴岡市(旧西田川郡温海町温海) 温海(あつみ)駅.1977年に川上にある温泉を当てこみ,あつみ温泉駅と改称.
"温泉(ゆ)と海で四季人を呼ぶ温海町"(駅名読み込み川柳大会)
温海温泉街 0502
田川 函館三人情死(百花園 (1891)) など 鶴岡市田川 現在の鶴岡市中心部の南西、大山川上流域、国道345号沿線にあたる.湯田川温泉が近い.郵便局の南に,田川村役場跡の碑があった.山住家が登場しているが,墓地を見たところ,三浦や佐藤姓が多かった.山住という家を知っているかと尋ねたが不明だった.文芸倶楽部の「函館三人心中」に出てくる西田川村は不明.田川村が属していた西田川郡からの連想ではないか.
"雷名とどろく松本大医の御舎弟なりと披露して 出羽の国北田川郷田川村の豪農山住詫左衛門の家へ立ち寄りしが縁となり"(函館三人情死)
田川村役場跡 1506
押切 函館三人情死(百花園 (1891)) 鶴岡市東荒屋押切 田川とは山をへだてた東側の集落.洋梨の生産が盛ん.
"私は母方の伯父にて押切村の戸長を勤めまする同姓六右衛門と申しまする者"(函館三人情死)
押切案内 1506
羽黒山 初夢(講明治大正2:21) など 3件3題 (圓朝1件, 東京2件) 鶴岡市(旧東田川郡羽黒町)あたり 月山,湯殿山,羽黒山の出羽三山.最も手前の羽黒山神社に三山の社殿がならぶ.鶴岡からバス1時間.
"今日は日光さん愛宕さん羽黒さんなぞの鼻高様がおいでで"(初夢)
羽黒山神社 9709
民田 九州吹き戻し(三一談志5:03) 1件1題 (東京1件) 鶴岡市民田 民田(みんでん).講談社版では改まっているので,三一書房版の"みんだ"は誤植だろう.漬物にする早稲ナスの原産地.写真は民田茄子を砂糖漬けにした銘菓."珍しや山をいで羽の初茄子"(芭蕉).
"葛西の海苔ィサッと焙って、民田の茄子の漬物で茶漬け"(九州吹き戻し)
大松屋本家初なすび 0504
加茂 函館三人情死(百花園 (1891)) など 鶴岡市 漁港.クラゲの展示で人気を博した市立加茂水族館がある."巌くだき掘りかためたる船溜加茂の港は廣くしなりけり"と彫られた築港記念碑があった.
"そうよ加茂へ行きゃァ山はねへが足がつくから最上川を船で昇り"(函館三人情死)
加茂港 1506
酒田:本間 函館三人情死(百花園 (1891)) など 酒田市 酒田の豪家本間家のことか.北前船の貿易で財をなした."本間様には及びもないが,せめてなりたや殿様に"とまで言われた.本間家旧本邸や本間美術館が公開されている.
"拙者は酒田の本間へ参り 兄上の御着次第引き戻りて 悪熱去りし折りを待ち"(函館三人情死)
本間家旧本邸 1506
酒田:観海楼 函館三人情死(百花園 (1891)) など 酒田市日吉町2-9 瞰海楼.和洋折衷様式の料亭.後に料亭小幡として最近まで営業していた.映画のロケ地にもなって,しばらくの間一般公開されていた.
"東京から酒田の観海楼へ芸者に来ていたのを 親父が金の威光にて内へ呼び寄せ"(函館三人情死)
料亭小幡 1506
最上川 函館三人心中(文芸倶楽部, 4(14) (1908)) など 山形県 日本三大急流に数えられる.酒田から新庄,山形,寒河江,米沢と県内主要都市を流れ,物流が盛んだった.次項の仙人堂は,芭蕉も船に乗って立ち寄った.
"足が着かねえ用心に、最上川を船で行き、天道から二口越え、仙台で稼いだ上"(函館三人心中)
最上川米沢船屋敷跡あたり 1407
海尊社 函館三人情死(百花園 (1891)) 最上郡古口村 外川仙人堂のことではないか.義経とともに最上川を昇り,平泉に落ちた常陸坊海尊がここで修行した.日本武尊を祀っている.船でしか行けないため,渡船や遊覧船を使って参拝する.
"森の中の社を暫時の隠家と中へ入って正面の額の文字を見上ぐれば海尊社とある"(函館三人情死)
外川仙人堂 1506
真室川 授業中(芳賀歌奴:01) など 4件3題 (東京4件) 最上郡真室川町 真室川音頭の用例.駅頭に歌碑がある.♪わたしゃ真室川の梅の花コーリャ あなたまたこのまちの鶯よ 花の咲くのを待ちかねて 蕾のうちから通てくる.梅に託して男女の情愛を歌っていて,もっときわどい歌詞もあるようだ.実際に駅の西方真室川公園に梅園があり,町の花も梅.
"わたサ真室川の梅の花、コオリャ"(授業中)
真室川音頭歌碑 1009
小松村 妲妃のお百(にっかつ談志:1) 1件1題 (東京1件) 不明 出羽国.実録の世界.川西村の小松,それとも秋田県か.妲妃のお百の生地は,桃川如燕演では大阪木津川.
"出羽国久保田在小松村百姓の伜重吉"(妲妃のお百)
     
へっころ谷 月給日(芳賀歌奴:02) など 2件1題 (東京2件) 架空 山形県のへっころ谷.
"きいたか、おまえ、山形県のヘッコロ谷だよ。猪の出そうな所から来ちゃったよ"(月給日)
     

掲載 040207/最終更新 150817

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