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富山県   
圓朝地名図譜
 雪まだとけやらぬ越中のいとゞ險はしき立山へ、八つ乳の草鞋を履〆めて、絶所難所の嫌ひなく。登山なしたる其砌り、訪れたるは幽靈谷、人の氣配は更になく……
 (三遊亭圓馬 「片袖」)
 今村信雄編,『名作落語全集』 第三巻,騒人社(1929)

地点名 この1題・登場回数 位 置 備 考 写真と撮影年月  
富山県 文七元結(話の後始末, マドラ出版 (2001)) など 富山県 「文七元結」のマクラなど.富山県の落語地名は,一筆書きというより東から西へ蛇行しながら流してゆく.
"私は威張るわけではありませんけれども、富山県の生まれでございます"(文七元結)
     
越中 万病円(立名人名演03:11) など 7件6題 (圓朝1件, 東京6件) 富山県 旧国名.六尺の対語.
"風の神はあるのか。ございます、ごらんあそばしませ、これは越中で、……これは名古屋で……これは天地金"(万病円)
     
立山 片袖(騒人名作03:10) など 4件3題 (圓朝2件, 上方2件) 中新川郡立山町 標高3015m,大汝山.戦国武将,佐々成政は,雪の立山を越えて家康同盟を謀るが失敗.山中に埋蔵金があるという.次項の幽霊谷を思わせる地獄谷には,火山性ガスが満ちており,写真のような噴気塔がある.
"雪まだとけやらぬ越中のいとど険しき立山へ"(片袖)
イオウの噴気塔 9107
幽霊谷 片袖(騒人名作03:10) 1件1題 (上方1件) 富山県:架空 立山の幽霊谷は架空だが,地獄谷と呼ばれる所は立山山中にある.
"訪れたるは幽霊谷。人の気配は更になく"(片袖)
     
富山 反魂香(講明治大正3:27) など 27件16題 (圓朝5件, 東京18件, 上方4件) 富山市 越中富山の反魂丹,鼻くそ丸めて万金丹,あだに焚いて下しゃんすな.反魂丹の店は薬膳レストランをはじめた.団体が増えないといいのだが.
"越中富山の反魂丹。反魂丹、それだ、そいつを呉んねエ"(反魂香)
反魂丹 9002
新湊 九州吹き戻し(三一談志5:03) 1件1題 (東京1件) 射水市(旧新湊市) 立川志の輔の出身地という入れ事.帆船海王丸は時折展帆する.うねったレールを横ぶれしながら進む万葉鉄道で訪れたい.
"出身が富山の新湊……、いや、これは違う、志の輔で、一門の弟子だ"(九州吹き戻し)
海王丸と富山新港 0211
庄川 家持まつり(続本草堂江戸噺, 相模書房 (2007)) 高岡市〜射水市 以下,新作の「家持まつり」に出てくる地名が数件.庄川は高岡市の東側境.庄川の鉄橋は,万葉線車窓のハイライト.
"けしからん、罰として一日庄川の川ざらえをいたせ"(家持まつり)
万葉線庄川鉄橋 0905
高岡:国守の館 家持まつり(続本草堂江戸噺, 相模書房 (2007)) 高岡市 万葉集編纂の大伴家持が国守として,天平18(746)年から天平勝宝3(751)年の間高岡に赴任.旧伏木測候所に國守館跡址碑,勝興寺(拝観有料)に越中國廳址碑.いずれも伏木駅からすぐ.
"八月七日、国守の館で盛大な歌会の宴があったそうで"(家持まつり)
越中國守館址碑 0905
二上山 家持まつり(続本草堂江戸噺, 相模書房 (2007)) 高岡市 二上山(ふたがみやま).高岡市街の北にあたる.標高274m.万葉集編纂の大伴家持にちなみ,山頂に大伴家持像,山腹に万葉文化の広場,万葉歴史館がある.
"萬葉集ゆかりの地に案内し、二上山にて昼食が出ます"(家持まつり)
二上山頂 0905
高岡 家持まつり(続本草堂江戸噺, 相模書房 (2007)) など 5件3題(圓朝5件) 高岡市 圓朝の「敵討札所の霊験」の舞台だが,古典落語には出てこなかった.「家持まつり」は高岡ヨイショのご当地落語.高岡といえば鋳物,改修前の駅構内にもデカい銅鍋が展示してあった.人物としては大伴家持と前田利長公.次の瑞龍寺と前田利長墓所との間は八丁道と言われる一本道.
"機会がありましたら高岡、萬葉の里へ是非おいで下さい"(家持まつり)
高岡駅前大伴家持像 0905
高岡:端龍寺 家持まつり(続本草堂江戸噺, 相模書房 (2007)) 高岡市関本町 曹洞宗高岡山瑞龍寺.本文に,端龍寺と繰り返し出てくるが瑞龍寺の誤植.高岡きっての名刹で,回廊に囲まれた仏殿に法堂は国宝.拝観有料.圓朝の「敵討札所の霊験」には出てこない.
"周辺の山々まで見物して、色々買物もし、端龍寺に案内される"(家持まつり)
瑞龍寺 0905
立野 家持まつり(続本草堂江戸噺, 相模書房 (2007)) 高岡市立野 立野(たての).高岡市西方.「ねずみ」の近郷の男と同じく,高岡に宿泊を迫られる.長久寺は明治天皇小休所,雲照寺の本堂は旧立野御蔵の遺構といわれる.駅で列車を待つ人に聞くと,獅子舞が盛んだときっぱりと答えてくれた.
"富山に商用あってまいりまして、その先の立野まで帰るところでごぜえます"(家持まつり)
西高岡駅スタンプ 0905
神通川 風船旅行(講明治大正5:42) など 2件2題 (圓朝1件, 東京1件) 富山県 神通川は,かつて富山城の北を貫いていて,舟橋が有名だった.明治15(1885)年に木橋の神通橋が架けられた.舟橋をかたどった吹澤屋の神通橋は,歩み板が渡されたデザインの最中で,パッケージには舟同士をつなぐ鎖が描かれている.
"これは越中富山の神通川でとれる鮎だ……よほど大きいもんだのウ"(風船旅行)
史跡名菓神通橋 0905
八尾 お祭り代官行列(桂三枝創作落語大全集, メディアクラフト牡牛座 (2004)) など 富山市(旧婦負郡八尾町) 八尾(やつお).越中おわらと坂の町.写真の碑は風の盆が行われた聞名寺境内.胡弓の音色とともに路地から現れ闇へ消えてゆく無言の踊り手.
"八尾、そら聞いたことがある(中略)確か風の盆のクボやったかな"(お祭り代官行列)
風の盆碑 0504
倶利伽羅峠 源平盛衰記(講昭和戦前1:13) など 6件1題 (東京6件) 小矢部市入会地〜石川県河北郡津幡町倶利伽羅 「源平盛衰記」のみの用例.木曽義仲が牛の角に松明をつけて平維盛を奇襲した故事でもっぱら登場する.ベタなこの像にはも〜.
"倶利伽羅峠の一戦に、牛の角に松明を附けて、奇計が奏功して、ついに平家の軍勢を追い払って"(源平盛衰記)
火牛のモニュメント 0211
浅和田 怪談累草紙(親不知の場)(三一正蔵芝居噺:11) など 2件1題 (東京2件) 不明 浅和田(あさわだ).麻生田とともに「古累」の説明.
"越中の浅和田村の郷士の所へ世継ぎにやられまして"(怪談累草紙)
     
麻生田 年枝の怪談(青正蔵2:22) 1件1題 (東京1件) 不明 前項と同じ地名だがどちらの表記が正しいか不明.闇夜でもほの明るい朝六橋(岐阜県小坂町)を思わせる名前.
"越中の麻生田ィ十一歳で養子にやられて"(年枝の怪談)
     

掲載 021227/最終更新 140813

   表の項目の説明

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