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関東地方   
……下谷に幡随院という寺があった。その幡随院に入って修行をして、その幡随院を卒(ぬ)けて、鴻巣の勝願寺という寺へ入る。この勝願寺を卒けまして、川越の蓮馨寺へ入る。蓮馨寺を卒けて、滝山の大善寺という寺へ入る。大善寺を卒けまして、里見の大厳寺という寺へ入ります。大厳寺を卒けて、そうして館林の善導寺へ入って、本所の霊山寺へ入り、結城の弘経寺へ入って、紫の衣一枚と、それまで修行をしなければならない。それから、飯沼の弘経寺という寺へ入って、ここは十八壇林のうちで『隠居壇林』と言って、この寺でたいがいもう身体が尽きちゃう。先へは進めない。そこでみんな参っちゃう。そこをもう一心になって、修行をしてこの寺を、卒けて深川の霊厳寺へ入り、霊厳寺を卒けて新田の大光院へ入って、水戸の常福寺に入って、そうして紫の衣二枚となって、それより小石川の伝通院へ入り、伝通院を卒けて、鎌倉の光明寺へ入って、光明寺を出て、緋の衣一枚となって、それより、芝の増上寺へ入って、増上寺で修行をして緋の衣二枚になって、大僧正の位になる……
 (古今亭志ん生(5) 「鈴振り」)
  川戸定吉・桃原弘編,『古今亭志ん生全集』 第三巻,弘文出版(1977)

 立風書房の『志ん生艶ばなし』(1977)所載の「鈴振り」では,上の速記と同じ音源を基にしているのに,なぜかきっちり十八ヶ寺が並んでいる.大げさではなく,速記の信頼性の根幹に関わるので長々と引用させていただいた.

「だけど今夜の鈴ふりの十八檀林、言いたての順が随分ちがってたけど、あれはどうなの」
「あれで構わねえのさ。寄席は学校じゃねえんだ。間違ったって直したりしちゃいけねえ。そのまんまとおしちまうんだ」
  結城昌治,『志ん生一代』,朝日新聞社(1977)

地点名 この1題・登場回数 位 置 備 考
関東 二人旅(青小さん1:01) など 85件55題 (圓朝5件, 東京68件, 上方12件)   "おめえとふたァりで歩いてンのと掛けてなんと解く(中略)豚が二匹と犬ッころが十匹と解く"(二人旅)
関八州 王子の狐(旺国馬生1:02) など 7件7題 (東京7件)   "王子のお稲荷さんへお参りに行く。関八州の取りしまりでございますからな"(王子の狐)
坂東霊場 誉田屋(騒人名作01:04) など 2件1題 (上方2件) 茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県 坂東三十三ヶ所霊場.個別寺名は出てこない.
"今度は、坂東の方へ順礼しようと、出てまいられましたのが、東京"(誉田屋)
十八檀林 鈴振り(弘文志ん生3:20) など 2件1題 (東京2件) 茨城県,群馬県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県 個別項目を参照.
"『十八檀林』というものを、寺を卒けて行かなきゃ大僧正になれない"(鈴振り)

掲載 030114/最終更新 151001

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