侍から芸人に |
寛延2(1749)年9月,津軽藩の森庄五郎,洪水でおぼれるおかの親子を助ける−礼に来たおかのと結婚を約束/1752年,河野六郎,おかのと福永忠之丞の縁談を持ってくるが,おかの断る−六郎,これを恨み,殿の前で森に長唄をうたわせる.続いて,忠之丞と立合を強要−かの,忠之丞を打ち,福永の負けに終わる/池辺を巻き込み,忠之丞,森を錦糸堀で斬ろうとするが,通りあわせた旗本の山村半左衛門が助ける/1753年,菅野紋次郎,森を誘って一中節を聴きに−森,酩酊.都一浜を忍ばせて不義者の咎で放逐しようとたくらむが,一浜が応じない.菅野,今度は医者の入江玄龍が用立てた毒酒をすすめるが,一浜これを捨てる/池辺は毒殺される.森,池辺の最期の言葉から身の危険を知る−そこで,森,わざと放埒.おかの心配で病に−よんどころなく森,夜分に見舞う.河野それを見つけてとがめるが,娘のおかのが諭す−1754年,頼まれて市村座に出演−これを咎に追放−荻江露友として芸人になる |
猿若町の市村座跡 |
運命の転変 |
菅野が間に入り,一旦忠之丞と縁談が決まるが,おかの発狂/忠之丞,入江の娘お清と結婚.おかの,狂人のふりをやめ福山藩屋敷に奉公.野川となる/露友と富士田吉次が共演.中老野川,2人を呼ぶ−吉次を先に帰し,二人で話−吉次,一浜と文蔵を取り持とうとするが,一浜断る−怒った文蔵らが露友を襲うが,野川が割ってはいる/入江の娘お民,半次郎と結婚.東寿郎を出産−半次郎,義父の入江玄龍を訪れ,お民の産後見舞を頼む−お民,半次郎とお清の密通を暴く−お民の密通を気取った忠之丞,逆上して入江の留守宅へ乗り込む.半次郎,二階から脱出.下女のお滝とお清を殺す.そこへ玄龍が戻り,池辺毒殺などの犯罪を内聞にするからと50両を取る.半次郎,忠之丞の犯罪のありさまを隠れて聞いていた−半次郎,勘当.お民と東寿郎は入江方へ−半次郎,御家人の横須賀周作に厄介になるが,金の切れ目が縁の切れ目,遂にお民を連れ出す−横須賀,入江に金を無心に行くが,逆に持ち出した金などを返させられる.半次郎,母に金を借りてしのいでいたが,兄も母も続いて死亡.金づるがなくなり,遂に遊び人に−玄龍を殺し,金を奪う−半次郎,逐電/腹違いの姉に縁切りの金をめぐまれる−とうとうお民,乞食になる−旧家来の弥助に会って,親子ともども下総塚前村へ |
塚前神明社 |
二代目荻江露友 |
半次郎,信州薮原でお絹と結ばれ,深川へ−半次郎,忠之丞に会い,毒殺ネタに50両無心−弥助に会い,再び江戸へ来たお民と再会/半次郎,にわか雨に遭い,そば屋へ駆け込む.中村仲蔵,これを定九郎の趣向に使う−半次郎,橋番の娘(菅野の娘),お秋を犯す/露友,お秋に会い,娘(半次郎の子)を菊と名付ける.子守する東寿郎に会い,父は処刑,母は死亡と聞く−弥助に話し,東寿郎をもらい受ける−荻江東寿に/お菊,東寿に恋がれ死に−東寿,お菊が妹だと知る−東寿,後に二代目荻江露友に
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荻江露友(4) 近江屋喜左衛門墓 |