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日蓮大士道徳話   
−にちれんだいしどうとくばなし−

 朝日新聞(2010年10月21日)に全集未収録作の発見記事が出た.日宗新報613〜620号(明治29〜30年)に8回連載(ただし7回と8回は同内容).禅宗から日蓮宗への改宗を機とした講演と紹介されている.内容的には説明文が多く平板な印象.日蓮誕生シーンは「安産」をつかみこんだような演出.

 大あらすじ
 貫名家の系譜と日蓮聖人の誕生まで.
 井戸端の捨て子
 五戒は保ちがたしのマクラ/中臣鎌足の後裔,藤原共資,跡目を得たいと遠州井谷明神に月3度の祈願−井戸の側に捨て子を見つける−この赤児が後の井伊備中太夫共保
井伊共保出生の井戸
 日蓮誕生
 共保からの家系図説明.井伊共保,共家,共直,惟直,盛道,貫名政直,重実,重忠と続く−重忠,花鳥と結婚.子を儲けるが,義父の岡本次郎が花鳥母子を無理に引き取る−間もなく貫名次郎,故なく安房国小湊へ流罪−土地の梅菊と再婚.漁師として暮らす−承久3年5月18日,重忠と梅菊ともに霊夢を見る.日輪が胎内に入る夢を見て懐妊−翌年2月,出産間近.重忠と名主の滑稽−妙の浦に蓮華生じ泉が湧出する奇瑞.日蓮誕生
妙の浦船頭の法被
 はなしの人びと
井伊共保 いいともやす (1010-) 日蓮の先祖.遠州龍譚寺の井戸の側に捨て子となる.彦根藩井伊家の祖.
梅菊 うめぎく   小湊で貫名重忠の後妻となる.日輪が体内に入る霊夢を得て日蓮を懐妊.
岡本次郎 おかもとじろう   花鳥の父.貫名重忠が入るされる前に嫁がせた花鳥とその息子を取り返す.
勘六 かんろく (-1333ごろ) 貫名重忠の家臣.重忠を追って小湊にやってくる.
日蓮 にちれん (1222.2-) 幼名善日麿.日蓮宗宗祖.誕生にあたり海上に蓮華が生じ,泉が湧いた.
貫名次郎重忠 ぬきなじろうしげただ   日蓮の父.遠州貫名から房州小湊に流され,漁師となる.
花鳥 はなとり   貫名重忠の妻.岡本次郎の娘.藤太重政らを儲ける.
藤原共資 ふじわらともすけ   井伊共保の父.遠江国司.祈願した井谷明神で共保を授かる.
間当次 まとうじ   藤原共資の家臣.

掲載 120929

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