道野辺の政略 |
明治期.9月,元老院議長道野辺の妾お吉に頼まれ,士族の馬場良介芝居見物.江沼に会う−お吉,江沼に差しいれして家に誘う−お吉宅へ礼に行く.ひきとめられお吉と同衾−これは道野辺の江沼を失脚させようという企み−お吉,江沼に惚れ,夜明け前に無事帰す/良介の勧めで江沼辞職,お吉へ手切れと手紙を用意−お吉,道野辺に江沼側につくと告げる.道野辺怒り,お吉を捨てる−良介,江沼の手紙をお吉に渡す−これを見たお吉怒り,再び道野辺側へつく |
新富座あと |
お万の幸せ |
江沼,馬場の知り合いの生間を頼り,古河に暮らす.生間の娘,お万が世話役−江沼とお万,結婚することになる−6月18日,両国の船遊びで,江沼ら,お吉と連れの美濃部を見かける.美濃部は江沼の学友−お吉,美濃部を江沼宅へ出入りさせる−江沼,復職.翌年,お万との間に子供ができる |
古河一里塚 |
お万の苦しみ |
書生風の2人組,江沼に金を無心,匕首で刺殺しようとする.実は道野辺の遣わせた刺客.江沼は柔術で撃退−江沼,箱根へ湯治.留守中,お万の継母が死去−お万葬儀に向かう.お吉からもらったクロロホルムを忍ばせた美濃部が同行−お万を美濃部が暴行−美濃部の奉公人の曽和蔵を買収し,お万の書いた手紙2通を盗み出す−1通を持ってお万の宅へ行き,手紙を渡す−お万,驚いて美濃部に相談−美濃部,お吉に掛け合うが全く相手にされず−江沼,湯治から戻る.お万,書き置き残して美濃部と出奔−江沼,美濃部の策略と気づくがいったん辞職.赤ん坊の仁太郎を連れ,古河の生間宅へ挨拶−仁太郎を乙女村に住む旧家来の藤蔵夫婦に預け,美濃部を探す−高崎から信州,木曽,北陸と探し,再び戻った高崎で美濃部・お万を見かける |
乙女村八幡 |
高崎山の決闘 |
7月17日,美濃部に面会,夜分に高崎山で決闘を申し込み−訪ねてきたお万に,仁太郎を引き取るよう説諭−8月末,ようやく藤蔵を訪ねたが,留守中に栃木県令の命で仁太郎は引き取られていた−やむなくお万は古河へ向かうが,藤蔵の息子で車屋の伊三郎らに襲われる−藤蔵,割って入り説諭.伊三郎,改心し,江沼の消息を話す−お万の父,生間,発狂の末死亡.お万,尼になる/話戻って,高崎山の決闘−お互いに自分を刺せといいあう.結局,江沼,自死−美濃部は高鍋へ |
高崎観音 |
毒婦お吉の最期 |
10月8日,雨宿りでお吉宅の軒先を借りた商家の若旦那.お吉,色仕掛けでその財産を奪おうとたくらむ−お吉の所へ若旦那,頻繁に訪れる−11月26日,気づいた大旦那がやって来るというので,あわててお吉らを芝居へ出かけさせる−お吉が戻ってみると全財産が盗まれている.若旦那とは伊三郎らの仮の姿−そこに大勢の書生が押し寄せ,前途ある江沼を自滅させたと群馬新誌片手になじり,お万を撲殺−翌日,品川で遊興中の道野辺を取り囲み,醜聞をネタに辞表を書かせる.伊三郎自首 |
群馬の郷土紙 上毛新聞 |