池上の茶店の花 |
明和2(1765)年,元金森家の重役の粥河が,芸者小兼らとお会式の池上詣で−茶店で働くお蘭に会う.お蘭は小兼の主人の娘−浦賀の名主役石井山三郎と江戸屋半治も来る−山三郎,病気のお蘭の母のために多分の茶代を置く.金入れを忘れている−お蘭,跡を追って届けようとするところを侍が襲い,粥河が助ける.金入れは侍の手に−真葛の仲介で,無理やりにお蘭と粥河結納/山三郎,川崎の宿で半治と馴染みの小兼を引き合わす−饅頭商の井桁屋米蔵,隣室の侍が荷を盗んだと訴え,荷を開かせるが誤り.山三郎が間に入り,盗まれた自分の金入れを発見.侍すごすごと退散 |
池上本門寺大堂 |
隠し扉の奥は悪の巣窟 |
1767年,小兼,お蘭を訪問.粥河はずっと留守と聞き,鎌倉の屋敷へ同道する−途中,井桁屋の妻のお直に会う−お蘭屋敷を探し当てる.本棚の隠し戸を偶然見つける−その晩,粥河帰宅するが,すぐに出かける−不審に思い,隠し戸より奥座敷をのぞく−粥河,真葛ら悪党の集会.中で女が縛られている.悪党口論の末女を殺す−お蘭気絶
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大津の諏訪神社 |
美人の生埋 |
山三郎と馬作,釣りで嵐に遭って漂着.3年前に池上で財布を盗んだ侍らが,馬堀の定蓮寺の床下に棺桶を埋めるのを見る−井桁屋からお蘭が死んだと聞き,穴掘りに化けて,おこう剃りに紛れて覗くと葬式の死体はおみわ−改めて定蓮寺に行き,埋められた棺の蓋を開けると,中には生埋にされたお蘭.これを船底に隠して,上総の天神山へかくまう−お蘭ついに事情を話し,粥河を改心させると約束 |
馬堀の浄林寺 |
小原山の決闘 |
山三郎の母より手紙が来て、妹のお藤と粥河とが結納という−あわてて戻り,粥河に強引に断り−その晩,粥河より果たし状が届く.母に置き手紙して,お蘭に明晩まで開けるなと手紙を渡す−奉行を務める兄の一色宮内に会い,白馬もらい決闘に望む−粥河の繰り出す馬には馬,剣には剣,鉄砲には鉄砲で対抗する山三郎.粥河,叶わないとみると平伏,坊主になって改心するから翌日アジトに来てくれと言う |
鴨居小原山 |
坊主の生埋 |
山三郎,半次郎の兄の半五郎に訳を話し,お蘭のことを頼む−半治,小兼と半次郎と口論.半治兄弟の縁切りを取る−海禅の悪事暴き,小兼を譲るとの筋書きを話した上,粥河の一味へ入る紹介状を手に入れる−小兼来るが,筋立てと違い,海禅を縛って元の棺桶に生埋め |
江戸屋半五郎墓 |
裏切りの館 |
半治,粥河のアジトに現れ,紹介状を見せて手下になろうと申し出るが,疑われる.小兼が追ってきたのを半治殴り,木に縛る−半治の案で毒酒を山三郎に飲ませることに決まる−続いて山三郎が来るが,勧められた毒酒を飲まない.庭に縛られた小兼に気づき詰問−山三郎と粥河一味の立ち回り.実は半治は裏切ったのではなく,山三郎側.粥河らを捕らえる.手下は八州の手に.粥河自害.お蘭出家 |
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