文七元結 | ||
−ぶんしちもっとい− 圓朝作.金をぶつけて逃げる江戸っ子好みの筋立てで,劇化もされた.1時間はかかろうという大作で,現在も名人上手により演じられる.女郎屋の名が佐野槌になっていないことをもって,速記が圓朝の噺をそのまま写していない証左とされる. |
大あらすじ | |
父の博打好きを諫めるため吉原に身を売ったお久.その金を見ず知らずの文七に与えた長兵衛.金も娘も戻り,文七とお久は元結屋を開く. | 吾妻橋 |
はなしの足あと | |
おなじみの噺で,現行の演出とは微妙に地名が違っている.本所達磨横町の左官長兵衛宅,吉原角海老楼(佐野槌),吾妻橋,白銀町(横山町)近江屋,再び翌朝の左官長兵衛宅という順に場面が展開する.長兵衛の家へ行く途中,吾妻橋を通って下をのぞくこともある.麹町(貝坂)は文七が元結屋の店を開くところ. |
はなしの人びと |
近江屋卯兵衛 | おうみやうへえ | 白銀町.鼈甲屋. |
兼 | かね | 長兵衛の妻. |
長兵衛 | ちょうべえ | 本所達磨横町.左官. |
藤助 | とうすけ | 角海老の若い衆. |
久 | ひさ | 長兵衛の娘.17歳.文七と結婚. |
文七 | ぶんしち | 近江屋の奉公人.長兵衛の養子に.元結屋開く. |
平助 | へいすけ | 近江屋の番頭. |
角海老楼の女将 | お久預かり,長兵衛に百両貸す. |
掲載 090101