有馬土産千代の若松 | ||
−ありまみやげちよのわかまつ− 有馬土産千代の若松は,岩波版円朝全集別巻に初掲載.春雨亭主人報,三遊亭圓朝演とあるが,口演速記ではない.明治14(1881)年,『諸芸新聞』に10回にわたって連載された.最終回は話をはしょって無理に完結させている.男女の出会いと突然の別離,そして大団円の陳腐な内容もさることながら,描写が生き生きとしておらず,土地の関係も不正確. |
大あらすじ | |
有馬温泉で出会ったお千代と民之助の2人.お千代は誘拐されるが,ついに出会えてめでたし. |
はなしの足あと | |
有馬温泉での出会い.相野(三田市)の山賊の住みか.福原の廓でハッピーエンド.途中,岡山藩時代のエピソードが挿入されるが,舞台の田上の浦が不明. |
はなしの人びと |
きと | きと | -1880? | 熊蔵の継母で情婦.熊蔵の流れ玉にあたって死ぬ |
たけ | たけ | 誘拐されて長太郎の妻.若松屋の番頭と結婚 | |
千代 | ちよ | 民之助と駆け落ち.福原に売られ千代鶴 | |
長太郎 | ちょうたろう | -1880? | 原田の息子.熊蔵の流れ玉にあたって死ぬ |
西村重兵衛 | にしむらじゅうべえ | 島之内の商人.瀕死の民之助を救う | |
原田強助 | はらだごうすけ | -1880? | 岡山藩士.食客の熊蔵に殺される |
松山半蔵 | まつやまはんぞう | -1848.2 | 岡山藩士.剣術の遺恨で原田に撃ち殺される |
山口熊蔵 | やまぐちくまぞう | -1880? | 胆玉の熊蔵.山賊稼業の駕籠かき.千代を誘拐し死刑 |
若松民之助 | わかまつたみのすけ | お千代と駆け落ち.末には夫婦に |
掲載 180901/最終更新 190101