闇夜の梅－あらすじ

大あらすじ
穴釣三次，娘を殺し金を奪う．さらに娘の恋人からも金を奪おうとするが失敗．実の弟が犯人扱いされ自害するところに現れて自首．

　不忍池に浮かぶ死体

　嘉永６年頃，三筋町の紙屋甲州屋の娘お梅と手代粂之助が恋仲－谷中長安寺の兄玄道のところに暇を出される／お梅，粂之助に会いたさに50両持ちだし家出－三橋で道を尋ねると，穴釣り三次が長安寺の門番と名乗り道案内－翌朝，千駄木の植木屋九兵衛と名のる男が，粂之助を訪ね，お梅の巾着を渡し金を入れて持ってくるよう依頼／不忍池にお梅の死体．50両は紛失－粂之助が甲州屋を見舞うと，犯人扱い．長安寺本堂建立のための80両が入ったお梅の財布を落とす－粂之助自害しようとする－そこへ植木屋九兵実は穴釣三次が現れ，自分が犯人だと真実を語る．自首

不忍池

はなしの足あと
	三筋町（台東区三筋）の商家，長安寺（台東区谷中），不忍池（台東区上野公園）がおもな舞台．特に道中付けはない．

　はなしの人びと

穴釣三次	あなづりさんじ		植木屋九兵衛と偽りお梅を殺す．粂之助の兄．
梅	うめ	(1840頃-1856頃)	甲州屋の娘．穴釣三次に殺される．
粂之助	くめのすけ	(1838頃-)	甲州屋手代．お梅の恋人．
玄道	げんどう		幼名清之助．谷中長安寺の和尚．早川三右衛門の三人兄弟の総領．
杉	すぎ		三筋町．甲州屋の後家．お梅の母．
早川三右衛門	はやかわさんえもん		土井大炊守家臣．諌言で追放．登場しない．

闇夜の梅
		－やみよのうめ－　穴釣三次の別名．圓朝全集に載っているのは弟子が演じたもの．どちらかといえば類型化したストーリー．志ん生(5)が２席に分けて演じている．