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雪夜の乳貰   
−ゆきよのちもらい−

 雪夜の乳貰は,岩波版円朝全集に初掲載.明治31(1898)年,『中外商業新報』に3回にわたって掲載された.芝居がかりで終わる小品.円朝全集には,一席物・三題噺として,捩金屋捩兵衛(樟脳玉),釣指南,欠指南,首屋,白木屋お駒・駿河細工・東海道五十三次(城木屋)などを新たに収めている.

 大あらすじ
 雪の晩の乳貰いをきっかけに十両を恵んでもらうが,実は全部しくんだ詐欺.芝居がかりで幕.
 雪の乳貰い
 雪の降る晩,乳飲み子を抱えた男が,山伏井戸のある屋敷の軒下で切れた鼻緒をすげ直している.屋敷のご新造が声をかけ,赤子に乳を与えた.赤子の産着の紋から,男の妻が妹のお玉と知れる.男が落とした戒名をみて,お玉が死んだと知る.十両をめぐんで,いつでも乳をあげると言って男を帰した.
 実はお玉は,妲妃のお玉と二つ名のある悪婆.金をまんまと騙りとった.でも,お縄にかかれば,ここは所も山伏井戸,法螺の音で遠島だ,で幕.

山伏井戸あたり

 はなしの足あと
 山伏井戸(中央区)の屋敷まわりで話が完結.山伏井戸は久松警察署から笠間稲荷の裏手あたりにあった井戸.

 はなしの人びと
げん 34〜5歳.乳もらいに扮して金をかたりとる
たま 27〜8歳.妲妃のお玉の異名
よし 下女
32〜3歳.山伏井戸のお屋敷に住む.お玉の姉

掲載 180901

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