道頓堀の出会い |
弘化元(1844)年,東城左近大夫氏勝,お国詰につき大坂住吉社の参詣帰り,道頓堀に陣笠を落とす.これを芸者のお藤が拾う−お藤を身請け.氏勝の妾に/お藤の兄の後家安,支度金の100両を手にし,小揚げの福蔵方に強引に居候−1845年,福蔵の妻のお亀を強姦−後家安を追い出せない福蔵に愛想がつき,後家安とお亀出奔 |
道頓堀の賑わい |
のさばるお藤の方 |
お藤,氏勝に讒言して側室のお里を放逐.老女の久保田は反対する−お藤懐妊−ある日,突然神奈川の亀の甲煎餅を食べたいとねだる.馬で民弥が買いに出るが,帰参が遅いと不興−民弥,切腹しようとするが,久之丞のお家のためとの言葉で断念.謹慎−奥家老の岩見,藤を上通り扱いせよという氏勝の頼みを断り苦言を呈する.岩見追放−高橋伝次が奥家老に−お藤,氏勝をたきつけ,正室の綾子を下屋敷へ下げさせる |
亀の甲煎餅 |
後家安と常綺羅お釜 |
後家安ら,御家人の田地見の所に食客−お亀,新宿へ身売り−田地見ら,旦那衆と偽り,上野の芸者常綺羅お釜に取り入る−芝居見物の留守に300両を奪う/1849年,氏勝,用人の横山典蔵に,跡目を東一郎から実子の新八郎に換えるよう頼む−東一郎,使者の横山を足蹴にする−逆上したとして猿江に幽閉される−民弥,屋敷を抜けだし岩見を訪ね,播州の主水正に直訴の相談−医者の周庵,はかりごとに気づき,後家安らに民弥殺害を依頼 |
猿江 明烏比翼塚 |
宇都ノ谷峠の血煙 |
後家安,民弥を追いかけ東海道を下る.民弥,宇津ノ谷山中で田地見と加勢の連中を斬るが,後家安は逃げる−主水正に直訴かなう−主水正,氏勝へ戒めの手紙を出す−周庵,東一郎を毒入り菓子で殺そうとするが,毒味が必須と追い返す−民弥の母らを召し捕り,拷問−民弥戻り,留守の理由は寺詣りと言訳.謹慎処分を受ける |
宇都ノ谷峠 |
鶴を射殺す |
1850年,氏勝,禁制の鶴を射殺す.伝次これを鴻といいくるめる−公儀の密偵らしき女が突然宿下がり.氏勝,夢から覚めたように改心−民弥,綾子,東一郎を召し返し/福蔵,後家安を鈴ヶ森で不意打ち/公儀の詰問書が届く−氏勝,遺言したため切腹−氏勝を病死とし,岩見が詰問書に回答.横山,切腹.お藤と周庵は門前払い |
鈴ヶ森処刑台石 |