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操競女学校−お辰の伝 「お辰の伝」中断の記事 (別ウインドウ)
−おたつのでん−

 操競女学校の一編.未完のため圓朝全集に収録されていない(岩波版全集に新収録).やまと新聞に14回連載され,旧仙台藩士による裁判場面へのクレームによっていったん中断するとある.しかし,翌日からの「お婉の伝」が完結した後,すぐに「粟田口霑笛竹」の連載がはじまっており,改めて結末まで掲載する意志はなかったのではないか.ハンセン病に対する誤解に基づく描写があり,現在では復刻することも難しいかもしれない.
 大あらすじ
 不治の病にかかった夫治平と添い遂げようとするお辰.治平は隣家の盗難事件の犯人に仕立てられる.お裁きはどうなるのか.
 戦慄の焼鍼治療
 仙台藩士,鈴木家の養子治平が病気−町医伊坂周仙は癩病の見立て−舅の七太夫,お辰に離縁を勧めるが,お辰拒否.夫婦ともに離縁を望む−周仙,12本の焼鍼を刺す荒療治を提案.七太夫,それにかこつけて殺す思案−治平の方は,治療で死ねば家名が立つとお辰に提案−1本の焼鍼を太腿に刺す.お辰がそこまでで止める
杜の都仙台
 犯人は迷宮入り
 隣家の木村主水,弓の誉れで正宗の鏃を拝領.祝いの酒宴−その晩,賊が入り鏃を盗む.木村,逃げる賊の左腿を弓で射る−翌朝,治平,縁側に鏃があるのを見つけ,七太夫に報告−七太夫,治平を犯人だと訴える/奉行所での取り調べ.治平を糾問−治平の腿に大きな傷を発見.周仙,鍼治療していないと証言.治平,窮地に(ここで中断)
 はなしの人びと
伊坂周仙 いさかしゅうせん 町医.秀仙とも.治療にかこつけ治平を殺した上,鈴木家に新しい養子の周旋はかる.
遠藤治右衛門 えんどうじえもん 仙台,田村下総守の家来.登場しない.
木村主水 きむらもんど 隣家.弓の名人で鏃を拝領する.
治平 じへい 治右衛門の息子.鈴木家に養子.癩病にかかる.
鈴木七太夫 すずきしちだゆう 仙台藩士.隠居.病気の治平を殺そうとする.
高橋勇記 たかはしゆうき 奉行.鏃盗難を裁く.
たつ 鈴木七太夫の一人娘.治平の妻.21歳.
平井林平 ひらいりんぺい 副役.白井とも.鈴木家へ養子の計画.

掲載 090101 / 最終更新 131107

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