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操競女学校−お里の伝   
−おさとのでん−

 操競女学校の一編.小泉文内がお滝にからかわれ,酒も手伝って旧悪を明かす場面や殿の面前での仇討の場面が印象的.連作の中では,明らかに「お里の伝」が一番おもしろい.圓生(5)の音が残る.

 大あらすじ
 お家断絶の元となった仇敵を捜すため,娘が剣術修行.江戸中の屋敷に奉公して,ついに変名で潜んでいた仇を発見.殿の面前で仇討に望む.
 剣術修業
 貞享4(1687)年,丸亀京極備中守の家臣尼崎幸右衛門の妻,お艶に岩淵伝内が懸想−お艶を口説くところ,尼崎が帰宅.岩淵,尼崎を斬る−逃げる岩淵にお艶短刀を投げ打ち,肩に傷−尼崎家断絶.お艶死亡/1700年,お里江戸で仇討の決意−村瀬に連れられ江戸表,永井源助のもとで剣術修業−赤穂浪士討ち入りの報に接し,仇討の本懐を伝える−免許皆伝を得て,江戸中の屋敷奉公しながら岩淵を捜す
讃岐の丸亀
 岩淵伝内を発見
 75軒目は本所割下水,坂部安兵衛宅−1705年正月,七草の酒席で小泉文内,過去の色事語りはじめる.お滝にからかわれ,とうとう肩の傷を見せ,旧名は岩淵だともらす−京極家に届け出,坂部家を通じ岩淵召し捕り−殿の面前で仇討の場.村瀬が検視,永井が助太刀役.お里,岩淵を討つ−村瀬の息子を養子に尼崎家再興

 はなしの足あと
 発端は讃岐の丸亀.仇は本所北割下水(墨田区本所)にひそむ.仇討は新し橋(港区西新橋)の京極備中守屋敷内.お里が仇を訪ねて次々と旗本屋敷の奉公先を変える立て弁がある.それを図にした.

 はなしの人びと
尼崎幸右衛門 あまがさきこうえもん (1659-1687.01.07) 京極備中守家来.
岩淵伝内 いわぶちでんない (-1705.01.18) 尼ヶ崎の上役.尼ヶ崎を殺す.坂部家の用人小泉文内.お里に討たる.
金之丞 きんのじょう   村瀬の子.お里の夫となる.登場しない.
坂部安兵衛 さかべやすべえ (1680-) 御進物番頭.
さと (1685-) 尼ヶ崎の娘.
関根元右衛門 せきねもとえもん   お里の伯父.お里を預かり育てる.
たき (1670-) 坂部家の仲働き.
つや (1664-1687.03.11) 尼ヶ崎の妻.岩淵に投げ打ちの傷負わせる.
永井源助 ながいげんすけ   旗本.お里に剣術教える.
村瀬東馬 むらせとうま (1658-) 尼ヶ崎の知人.京極家家臣.粗忽者.

掲載 090101

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