HOME >> 圓朝作品のあらすじ >> prev 怪談阿三の森 next
怪談阿三の森   
−かいだんおさんのもり−

 現存する深川阿三稲荷の由来ということだが,牡丹燈籠の発端と全く同じ筋立てで,圓朝作ではないといわれる.志ん生(5)による音が残る.

 大あらすじ
 阿三稲荷の由来記.お三と新十郎,兄妹と知らず契る.お三の死後霊が訪ねてくる.新十郎の後妻も死亡.
 梅見の出会い
 享保年間,松岡家の奉公人お古乃,松岡殿の手が付き妊娠−家元へ戻りお三出産−古乃,松岡殿死亡/お三,祖父の善兵衛のもとで育てられ,梅見団子の小町娘と呼ばれる/幇間医者の玄哲に連れられて,阿部新十郎が梅見,お三に会う−藤見にかこつけ新十郎密会−新十郎の母の遺言でお三が自分の妹と知る−お三,新十郎ともに病に−お三死亡.玄哲,それを報告
亀戸天神
 お三稲荷
 新十郎,向島の寮へ−盆,真夜中にお三の霊が訪ねてくる.寮番の甚兵衛,異状を認めるが実体が分からない−良観和尚,相談を受け新十郎に護符を渡す.霊は現れなくなる/翌春,新十郎嫁を取る−嫁には見えない蛇が毎晩現れる−良観の袈裟を借り蛇を捕らえる−雀の森に蛇を埋めて祠をたてる−嫁衰弱死,新十郎出家−祠はお三様と呼ばれる.後に御産の神と言われる
於三稲荷

 はなしの足あと
 すべて江戸市中で話が完結する.主人公の阿部新十郎は割下水(墨田区)に住み,お三は亀戸天神前(江東区)の団子屋の看板娘.臥龍梅(江東区亀戸)の梅見がきっかけで2人が出会うところは「怪談牡丹燈籠」と一緒.気鬱となった新十郎は向島(墨田区)で療養し,そこへお三の幽霊が通う.

 はなしの人びと
阿部新十郎 あべしんじゅうろう 松岡の三男.幽霊に会った後出家,愚凸となる.
さん 新十郎とは兄妹.幽霊となる.
甚兵衛 じんべえ 向島の寮番.幽霊を目撃.
善兵衛 ぜんべえ 深川の漁師,後に団子屋.お三の祖父でお三を養育.
松岡半之進 まつおかはんのしん 本所の旗本.お三,新十郎の父.死亡.
松山玄哲 まつやまげんてつ 幇間医者.善兵衛の知人.
良観 りょうかん 法恩寺の和尚.
阿部新十郎の妻   大久保家の娘.結婚後まもなく死亡.
松岡半之進の妻   御隠居.新十郎の母.臨終にお三の事話す.

掲載 090101/最終更新 120101

>> 圓朝作品のあらすじ >> prev 怪談阿三の森 next