粟田口の盗難 |
寛保3(1743)年,鋏鍛冶の金重の娘,お富,伊之助を見かけて恋心−鋏鍛冶の金重死ぬ−伊之助が吉原松葉屋の八重花に入れあげときき,親の石塔代を名目に松葉屋へ身売り.お富は若草と名を改める/刀屋岡本正七の番頭重三郎,侍に襲われ,金森家から預かった粟田口国綱を奪われる−船頭荷足りの仙太,重三郎を助ける−重三郎,再び首をくくろうとするところを仙太助ける.岡本では重三郎は自殺したと思う−侍の顔を見た駕籠屋に出くわす/刀係の稲垣小左衛門,事情を聞き,罪を負う覚悟/お雪ら,川崎大師の行きがけ,羽田に住む重三郎の父の重助を訪れ慰める.お雪,駕籠屋に連れ去られる−重助の戸口に一節切を吹く修行者.実は稲垣.お雪を助け出してくれる |
羽田玉川弁天 |
若草の呪い |
若草の突き出し日より伊之助通い詰め,店の金を使い込む−伊之助ら,吉原で侍にからまれる.仙太が割ってはいる−翌日,土手で再び侍に襲われ,長次死亡−伊之助,堀切の別荘へ押し込められ,次第に病気.許婚者のお雪を看病に頼む−妊娠した若草,叔母のおしのを頼んで堀切に掛け合いに行く.番頭の伊兵衛に追い返される−若草患いつく.見舞いの客,伊之助を雪がむつまじく看病しているとうっかり喋る−若草,夜中に伊之助を呪詛 |
堀切菖蒲園 |
国府台に響く笛の音 |
刀が見つからないため追放された稲垣,真間で商売をはじめる.安売りゆえ他の商家が迷惑−浪人の荻原束,掛け合いに行くが逆に鉄砲で脅される/呪いを受けた伊之助,足が腫れて脱疽となる−正孝,伊之助に若草と赤子が死んだことを知らせる.叔母のおしの,引き続き呪う−安兵衛ら,矢切村へ行ってしのに掛け合うが,今度は安兵衛らが追い返される/稲垣と丈助,国府台見物.かどわかされたみゑを助ける.みゑは倅小三郎の許婚者−稲垣,崖で笛を吹く.大野惣兵衛に突き落とされ死亡.実は丈助が共謀していた.笛と犯人の頭巾を握った死体を仙太郎と重三郎が発見 |
国府台石棺 |
位牌と婚礼 |
みゑ,乳母のおしのを訪ねる−丈助,母のおしのを騙し,200両で刀が探せるという小三郎の偽手紙を見せる.みゑ,山口屋へ身売り−丈助,矢切の渡しで勇助を殺害−お富の法事をあげ,お富の位牌と婚礼すること条件に,おしのの怒りがゆるむ−政七,その意をくみ,わざと悪態をつき,雪を離縁させる−位牌と婚礼.怪異いろいろ.次第に脚が快方に向かう |
矢切の渡し |
自殺の名所枕橋 |
雪,離縁されたことを苦に枕橋から身投げ.重三郎,首くくり.両名を仙太郎助ける−重助,順礼となり回国.荻原に斬られるところを,仙太の女房のお梶に救われる−重助が雪を救ったことにして政七にわび入れ−その晩,政七宅へ賊が押し込み.仙太郎,賊の荻原と船頭喜代松を捕らえる.2人は死罪 |
枕橋 |
粟田口の奪還 |
成田山の参詣帰り,原文らに襲われた伊之助を小三郎が助ける.拝領の蘆屋の釜を譲り受ける/小三郎,偶然重助宅で父の死を知る.頭巾の印より仇が大野だと知れる/小三郎,仇討に出立するが,眼病/みゑ改め音羽のもとへ,八橋周馬(大野の偽名)が通うが,振られ通し−大野に突き当たった小三郎が斬られようとしたところ,美恵比丘尼が割ってはいる−小三郎,盲人の悔しさに自殺を図るが,隣室の美恵に見破られる−政吉の世話で深川住まい/丈助,小三郎が百両必要だと音羽をだます.音羽,丈助に盲人の客を殺して金を奪うよう依頼−盲人が小三郎と知り,音羽,廓抜け.小三郎,丈助に肩を斬られる−小三郎,悪血が抜けて快方.おしのに丈助の悪事を伝える−おしのを訪ねた丈助,おしのに殺される.死に際,大野の居所を教える/大野,粟田口を売ろうとする−総動員で大野を討つ |
成田山新勝寺 |