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中山道・善光寺道つまみ食い  行程・地図
 旧街道を通して歩く人たちがいる.歩くことで違った発見もあるだろうが,ダレ場は歩いていて楽しいのだろうかという素朴な疑問もある.ウォーカーズハイならわかる気もする.
 中山道と善光寺道に沿った"点"をしなの鉄道を軸に回る.

 軽井沢泊.深夜の冬の軽井沢は人っ子一人いない.
 翌朝7時1分,しなの鉄道の起点,軽井沢発.小諸から岩村田までは,高校生の一群と同乗する.岩村田は都市に飲み込まれて宿場の面影が失われただけでなく,商店街の活気も感じられず寂しい町だった.

 いよいよ中山道に入る.八幡宿の入口にある八幡社旧社殿は重文.それよりも参道にそびえる楼門の圧迫感は凄まじい.妖怪の棲む城を思わせる存在感がある.宿を歩いて抜けたところで,タイミングよく次のバスが来る.


八幡神社
 9時57分,終点の望月バスターミナルで下車.望月は見たいところがたくさんあるが時間がない.10時40分発の小諸へ戻る別ルートを通るバスに乗らねばならない.このバスがあるから,今回の旅程が成立した.
 脇本陣の真山家や歴史民族史料館は横目で眺めるだけで,城光院の望月石を見る.古い建物はなるほどで終わってしまうが,こういう忘れられそうな名所にこそ魅力を感じる.これ以上先の宿へ行くバスも時間がないが,あえて少しだけ歩いてみる.そんなに山奥に来たわけではないが,もうこの町から抜け出られなくなるのではと感じさせるようなところであった.


望月石
 小諸からしなの鉄道の旅を再開.大屋で下車.待合室内に1922年銘の古時計がある.善光寺道を訪ねるなら,大屋ではなく宿場の保存がすばらしい海野宿に行くのが普通だろう.洪水で1体だけ残った赤仁王尊は,天女みたいに布をひらひらさせキッチュな風貌だが,想像以上に巨像であった.

 再度しなの鉄道で,大屋から篠ノ井まで乗車する.これでしなの鉄道は完乗.
 篠ノ井線に乗り換え,稲荷山を越えると左回りに山裾をぐいぐい登っていき,スイッチバック駅の姨捨に着く.日本三大車窓駅と言われるだけあって,いま登ってきた善光寺平を広々と見下ろす.


赤仁王
 これから稲荷山まで戻るので,駅を通るコミュニティバスが使えないかとわずかに期待していた.しかし,適当な時刻のバスもなく,観光用には全く使えないルートを通るため,利用を断念する.ここの項目は田毎の月で,何を見るべきか迷う.まず,長楽寺姨捨石を見る.境内は句碑歌碑が所狭しと並んでいる.棚田を見下ろす場所を過ぎてしまったので,千枚田に行ってみるが,刈り取り後の乾いた土と切り株で見栄えがしない.

 ここから稲荷山宿までが長い.広い境内の武水別神社を過ぎ,ひと休みしようとした売り切れ御免で有名な蕎麦屋も仕舞っている.地味だが,稲荷山の由来となる稲荷社を見て,駅へ向かう.5分で列車が登った道を2時間半かけて稲荷山駅に戻った.早い夕飯にと買った握り飯を食べながら鈍行を待っていると,特急が猛スピードで通り過ぎていった.
2003年12月

初 日   紀行
7:01 軽井沢 7:24 小諸 しなの鉄道
7:29 小諸 7:49 岩村田
岩村田
8:52 岩村田 9:15 八幡神社前 千曲バス
八幡社
9:50 八幡入口 9:57 望月BT 千曲バス
望月宿,鹿曲川
10:40 望月BT 11:15 小諸駅 千曲バス
11:23 小諸 11:37 大屋 しなの鉄道
大屋赤仁王
12:22 大屋 12:57 篠ノ井 しなの鉄道
13:13 篠ノ井 13:27 姨捨
長楽寺,田毎の月
稲荷山宿
16:17 稲荷山 16:35 長野
16:48 長野 18:26 上野 あさま634

掲載 060623/最終更新 061201

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