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足柄山トラバース  行程・地図
 日帰りの大雄山,足柄山めぐり.
 「小間物屋政談」の主人公が助けた小間物屋が,小田原宿に道了様の講中と同宿する.道了尊大雄山最乗寺は大山同様に信仰の山だ.ここへは,小田原から大雄山線が通じている.

 大雄山への行き方はいくつかある.3400円使ってリッチに新幹線で小田原へ出るならば,8時頃東京を発てばよい.ここを東海道線にすると半額で済むが,7時に東京を発たないと行けない.小田急ロマンスカーだと,やはり新宿発7時で,費用は約2000円.
 私は,新宿発の特急あさぎりを使うことにした.あさぎりは小田急線からJR御殿場線に乗り入れる変わり種の列車.路線図を見ると小田急線は新松田から南に切れて小田原に至る.大雄山線は小田原からほぼ真北に向かい大雄山に至る.新松田と大雄山との間は4kmしかなく,この間はバスで結ばれている.あさぎりを使って単にショートカットしようというだけでなく,「富士詣り」に出てくる松田も一緒にこなそうと思い,このルートを取った.

 新宿7時20分発のあさぎりは小田急仕様.私鉄特急はホームで特急券が買える気軽な設定で,こまかく乗り降りする人が多い.この列車は小田急線の新松田には入らず,渡り線を通って松田駅に入る.ここから先まで乗るとさらにJRの特急指定料金を支払わねばならない.今日は,松田で降りてショートカットするので東海道線ルートよりも安くなった.

 松田のポイントとした鮎塚を探すが,見あたらない.タイムアップとなり,駅から1km離れた合同庁舎でバスに乗る.松田の項目は終わらなかった.
 バス会社が小田急系と西武系と違っているせいだろう,箱根登山バスの終点名は関本だが,実際には西武系大雄山駅・バスの目の前.今度は伊豆箱根バスに乗りついで大雄山最乗寺へ.ぐいぐいと杉木立に囲まれた急坂を登り,終点の道了尊で下車.
 45分時間を取ってあるので,ちゃんと奥の院まで行ける.道了は実在の僧で,道了=天狗ではなく,天狗を従えた守護神らしい.道了尊を祀る御真殿には,天狗の大下駄やら羽団扇やらがいっぱい奉納されている.やっぱり感覚的には天狗の寺だ.


最乗寺御真殿
 また大雄山駅まで戻り,今度は足柄山へ行くバスに乗り換える.こちらは矢倉沢往還に面しており,足柄古道を足柄駅まで抜けるハイキングルートもある.足柄山では帰りのバスまで90分も時間があるが,矢倉沢関所跡まで足をのばす時間はなさそうなので,地蔵堂近くの金太郎生地をうろうろとすることにした.幼い金太郎が遊んだ石を見たり,買いこんだ握り飯を食べたりしても時間が余り,ただぼぉっとして過ごす.

 これからは御殿場線の山北へ抜ける.大雄山−足柄山のバスは日に2本だけ北へ迂回するルートを取る.これを使うと山北に3kmのところまで行ける.このバス時刻を基点にしたため,さかのぼって7時20分発のあさぎりを使うこととなったともいえる.単に大雄山に早く着きたいならば,もっと早い列車もある.
 迂回路最北の内山で下車.地図にはここから山北方向のバス路線も載っていて,かすかに接続を期待していたが,実際には使えるバスはなかった.酒匂川が刻んだ急な谷を下り,途中で脇道を入り山城の河村城へ向かう.いちおう,河村瑞軒に関連した項目.2時間までかからずに山北へたどり着いた.


金太郎 かぶと石とたいこ石
 次は明治の掛け捨て新作「風船旅行」に出てくる小山.丹那トンネル開通前は,今の御殿場線が東海道線であり,小山も名の通ったところだった.とりたてて見るものもないので,朝乗った縁で,駿河小山を15時過ぎに通過するあさぎり5号を待つ.御殿場線を撮るなら谷峨あたりの桜のトンネルが有名だが,駿河小山と特急が絵になる構図を見つけられず惨敗.

 それでも案外と早く予定がこなせたので,失敗した松田に再挑戦.今度は目当ての鮎塚を川沿いの道に探し当てられた.かつては酒匂川は清流で,東海道線を上り下りする人には,山北の鮎鮨駅弁を楽しみにする人が多かったという.鮎塚は1958年に観光協会らが建てたもので,そう古い話でもない.

松田鮎塚
2001年5月

初 日   紀行
7:20 新宿 8:30 松田 あさぎり1
8:50 合同庁舎 9:05 関本 箱根登山バス
9:15 大雄山駅 9:25 道了尊 伊豆箱根バス
最乗寺
10:10 道了尊 10:20 大雄山駅 伊豆箱根バス
10:30 関本 10:55 地蔵堂 箱根登山バス
足柄山
12:30 地蔵堂 12:45 内山 箱根登山バス
河村城
14:29 山北 14:39 駿河小山
小山
15:49 駿河小山 16:05 松田
松田
16:50 新松田 18:10 代々木上原 小田急

掲載 050715/最終更新 061201

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