心中時雨傘 | ||
−しんじゅうしぐれがさ− 一組の夫婦が不幸な運命に翻弄され心中すると言う救いのない噺.圓朝の作ではないとされる.とはいえ,夜の江戸の暗さ,湿り気が魅力的ではある.志ん生(5)による音が残る. |
大あらすじ | |
お初の危ういとことを助けた職人金三郎.それが縁で結婚.その後は,火事に会った母を助けて右肩に致命的な大けがを負い,母も死亡.世をはかなみ夫婦で心中. |
はなしの足あと | |
すべて江戸市中で話が完結する.お初と金三郎の出会いは,根津権現(文京区根津)から穴の稲荷(台東区上野公園)を通って帰る途中.鷲神社のお酉様(台東区千束)の日に2人の家が焼けて,金三郎が怪我をする.名倉(足立区千住)に治療に通うが,怪我は治らない.最後の心中の場面では,山伏町(台東区北上野)から道灌山諏訪神社(荒川区西日暮里)への道行が描かれる. |
はなしの人びと |
勘兵衛 | かんべえ | 大家. | |
吉平 | きっぺい | お初を襲う. | |
金三郎 | きんざぶろう | (-1865.11.21) | 形付職.お初を助け仙太を殺す.お初と心中. |
熊次 | くまじ | お初を襲う. | |
仙太 | せんた | (-1863.09.20) | 泥坊仙太.お初を襲い,金三郎に殺される. |
初 | はつ | (-1865.11.21) | どっこい屋.金三郎と心中. |
掲載 090101/最終更新 150817